世界経済の動向とユーロ、ポンドに注目すべき理由について

2021年7月2日

こんにちは、北田です。

先週は日経平均株価が
1000円近く下落する等、
波乱の相場でしたね。

下落した要因としては、
日本のSQの関係もあったと
一部では言われていますが、

下落したのは日本株だけではなく、
米国株、欧州株、そしてアジア株全体も
下落した相場となっていました。

米国株では、インフレ懸念等による下落、
また台湾では、抑え込んでいたコロナウイルスが、
再度感染の拡大懸念が浮上したことで、

台湾の株価指数が7%以上も下落するなど、
アジア株全体が売られました。

ただその後は、
インフレ懸念が後退したことで
米国株は反発し、

アジア株全体もそれに引っ張られるように
反発した相場となりました。

直近の経済指標について

そんな中為替市場では、
先々週の米雇用統計で、

ネガティブサプライズとなり、
ドルが大きく売られ、

ドル円としては、
1円近くの下落となりました。

最近の雇用統計は、
せいぜい動いても20-30pipsくらいでしたので、
久しぶりに大きく動いた相場でしたね。

このことがテーパリングの思惑の後退により、
株価自体は上昇していましたが、

この後のイエレン財務長官の
発言でもあったように、

やはり今回の雇用統計の数字は、
一時的な季節要因で、長期で見れば、
雇用は回復してきているということで、

再びテーパリングの懸念が
浮上してきたような相場となりました。

そんな中、
先週アメリカで消費者物価指数が発表され、

予想をはるかに上回る数字が出てきたことで、
為替市場では、先々週とは一転し、
大きなドル買い動意へと動いていきました。

この結果を受けて、クラリダFRB副議長は、
多くのノイズがあることは認めつつも、
この物価上昇圧力が一時的なもので無ければ、

「行動する」

と述べており、
テーパリング示唆の懸念は
今後も注意が必要だと考えています。

日銀のETF買いについて

そして日本では、
日銀のETF買いが明らかに縮小していますね。

先週の日本株下落でも、
日銀のETF買いが行われませんでした。

これまで日銀は
トピックスが0.5%以上下落していると、

その午後や翌日にETFを
購入することが多かったのですが、

最近では1%ないしは、
1.5%下落しても購入されないことが多く、

先週、2.37%下落しても、
とうとう買われることはありませんでした。

日銀としては、
現在もFRBやECB、BOEと同様に、

表向きは大規模な
金融緩和の維持を掲げていますが、

密かにテーパリングを進める、いわゆる
ステルス・テーパリングに動いているように思えます。

また既にBOCはテーパリングを開始しており、
次はどこの国がテーパリングを開始するのかが
相場の焦点になっています。

現在は各国の経済対策により、
経済自体は急速に戻してきていますが、

テーパリングの懸念により、
今後も株価の上昇が抑えられるような相場が
続くと考えています。

注目すべき通貨について

そんな中でやはりドルは、
現在は安全通貨として捉えられていますね。

現に株価上昇による
ドル売り動意も見られており、

さらに長期金利の上昇による
ドル買い動意も見られています。

またEUやイギリスで、
ワクチン接種率の増加により、
一部の観光客を受け入れる話も出てきており、

ユーロ買い、ポンド買いによる、
ドル売りも見られており、

他通貨の売買による
ドルへの売買も影響しており、

最近のドルに対しての見立てが
少々複雑化しているように感じています。

このような時は、
無理にドル絡みの通貨ペアでトレードするよりも、

ユーロ絡みやポンド絡みの
通貨ペアでトレードをしたほうが、

素直に利益を狙っていけるのでは
ないかと考えています。

ユーロやポンドに関しては、
今後の経済指標の内容や、

金融緩和の縮小等で、
売買されていくでしょう。

ただイギリスでは、
インドの変異株の感染が広がっており、

これによりロックダウンの解除が
延期となる可能性も浮上してきています。

このことから、
現在のポンド買い動意が弱まる可能性を
視野に入れておく必要があります。

直近の経済について:日本編

そして日本に関しては、
他の先進国とは逆に、
感染が拡大しており、

緊急事態宣言が発令された地域の拡大、
またワクチン接種の遅れ、

さらには、そんな中での
オリンピック開催予定等によって、
日本円売りが今後も見られる可能性があります。

現に日本株は他の国の株価に比べ、
上がり切っておらず、

特にまた日本円も今年へ入ってからは
他通貨に比べて、相対的に売られています。

ただ中東情勢悪化等で一時的に
円買いが見られる可能性もありますが、

数ヶ月の単位で見たら、
やはり円売り方向に進みやすいでしょう。

通貨インデックスを見ても、
年初来の円の下落率は約5%に達しており、

明らかに株安円安、
いわゆる日本売りが行われている状況です。

今後の為替相場について

以上のことから、
直近数ヶ月の見立てとしては、

指標やインド株の感染拡大次第ではありますが、
基本的にはユーロ、ポンド買い、

そして円売り方向で見ていくのが
良いのではないかと考えています。

ただ、長期的な目線で見ますと、
現在はお金の相対的価値が減少しており、

通貨全体が売られ、
その分株式や仮想通貨、
資源等に投資が向かっています。

通貨全体でみると、
さほど大きく為替市場が
動いているわけではないので、

なかなか通貨全体の価値が
下がっていることに気づきにくいですが、

やはりマネーは着実に通貨から、
別の資産へと動いています。

そのため、
長期投資という目線で見れば、
通貨を保有しているよりも、

株式だったり、資源だったりに
投資をしておいた方が全体的には
資産価値は増えていきやすいでしょう。

以上、現在の世界の状況を踏まえ、
中期的な目線と、長期的な目線で解説いたしました。

参考になれば幸いです。

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