各国総選挙による相場の影響と、リーマンショック再来の懸念

2022年4月12日

kitada_20210923

こんにちは、北田です。

日本では総裁選ムードとなり、
株価も賑わってますね。

総裁選はいわゆる、誰がトップになるかを
決めるものでもありますので、
ある意味では衆議院選挙よりも盛り上がりそうです。

誰が総理になるかはまだ全く不透明で、
このことによって過去に例が無いほどの
盛り上がりを見せている面もあるように見えます。

また誰が総理になるのかによって、
どの会社や業種が恩恵を受けるのかも変わっていき、

経済対策もそれぞれ違うことから、
今後の相場の行方も
大きく変わってくるものになります。

そして出馬会見を拝見したところ、
4候補とも当然、経済対策やコロナ対策、
また憲法改正や外交、安全保障等、

それぞれの主張が異なっていることからも、
誰が総裁になるのかが、
今後の相場を大きく左右しそうです。

そこで今回は、

各立候補者が当選した場合の
相場変動の予想について、具体的に見ていきましょう。

※最新の総裁選の影響は、来週28日(火)の生配信でもお届けします。
 気になることがあれば下記の質問フォームから、ぜひご投稿くださいね。

◆第4回「生ライブFX」への質問フォームはコチラから

各立候補者の政策が相場に与える影響

まず岸田氏に関してですが、
経済面では、「令和版所得倍増計画」として、
野党の主張と似ている部分もあり、
格差是正、中間層の底上げを柱としています。

その中で、教育費や住居費の支援強化等も
政策として掲げていることから、例えば、
タカラレーベン(8897)等が注目されそうです。

同社は首都圏中心に
マンションの分譲や賃貸業をしており、

これが岸田氏の政策によって、
地方にも拡大していくことに繋がる可能性もあります。

さらに同社は太陽光発電事業も行っており、
これは3候補ともに掲げている脱炭素のテーマに沿っている為、
どの候補が総裁になっても、恩恵を受けそうです。

さらに配当利回りが4%を超えており、
またPER(株価収益率)は7.3倍、

PBR(株価純資産倍率)は0.67倍と、
割安水準の数字を付けていることからも、
注目しておきたい銘柄の一つではないかと思います。

一方高市氏は、アベノミクスの強化版である、
「サナエノミクス」を提唱しており、

アベノミクスと一番違う点は、
プライマリーバランスの黒字化目標の
一旦の凍結の部分になります。

さらに、サイバーセキュリティ関連を強く意識しており、
関連銘柄としては、デジタルアーツ(2326)や、
ソリトンシステムズ(3040)、トレンドマイクロ(4704)
等が注目されそうです。

また国民人気が一番高い河野氏は、
脱ハンコが目玉で、これにより昨年は、
弁護士ドットコム(6027)が大きく上昇しており、

さらにこれに加えて、
アメリカのドキュサインとも提携している、
GMOグローバルサイン・ホールディングス(3788)にも
注目が集まるのではないかと考えています。

そして今回ようやく立候補が叶った野田氏に関しては、
子育てに関する政策を全面に出し、
「こどもまんなか庁」の設立などを掲げており、

これによりベビーカレンダー(7363)や、
出産や育児等のアプリを制作している
カラダノート(4014)等が既に上昇しており、
子育て関連銘柄が注目されそうです。

そして4候補ともに政策として訴えているのは、
コロナ対策の強化です。

また野田氏は立候補して間もないので、
この後の論争次第ですが、

他の3候補では、
さらに脱炭素関連、デジタル化の面でも共通しています。

まずコロナ対策では、
PCR検査関連のタカラバイオ(4974)、

脱炭素関連では、
太陽光発電所のウエストHD(1407)、洋上風力の五洋建設(1893)
そしてレノバ(9519)、

またデジタル化に関しては、
地方自治体等のデジタル化を支援する事業や
ふるさと納税サイトを運営しているチェンジ(3962)辺りは、
誰が総理になっても、引き続き注目されそうです。

さらに総裁選が終われば、
衆議院選挙へと進んでいくわけですが、

その関連銘柄としては、
投票用紙を郵送する封筒を製造しているイムラ封筒(3955)、
投票用紙分類・計数機器でシェアNO1のムサシ(7521)等が
注目されそうです。

このように、
各候補の政策に関する業種や、
イベント等によって恩恵を受ける会社を調べていくことで、
今どの銘柄に注目すれば良いのかが見えてきますね。

ドイツの総選挙が相場に与える影響

さてそんな中で、総選挙は日本だけではなく、
ドイツでも行われる予定になっています。

ドイツでは、9月26日に連邦議会選挙が行われます。

現在の首相であるメルケル氏は、
16年間にわたって政権を担ってきましたが、

今回で政界を引退されるということで、
ドイツでも新しいトップと政権を決める選挙となります。

日本では菅総理が出馬をしないことを決めたことで、
新しいトップを決めることになったのと同様に、
ドイツでも似た選挙となっています。

またドイツの選挙制度も同じで、
総選挙によって勝利した政党のトップが
首相となります。

今のところ、
メルケル氏が所属しているCDU・CSUからラシェット氏、
社民党のショルツ氏、緑の党のベアボック氏が
候補として挙がっています。

ドイツの選挙結果が、日本に関係あるのか?と思いがちですが、
今回の選挙結果によっては、大きく日本にも影響があり、
さらに相場にも大きく影響すると考えています。

まず選挙情勢を見ていくと、
緑の党のベアボック氏が現在経歴詐称疑惑が出ており、

またCDU・CSUのラシェット氏は、洪水による被災地で
談笑していたことで支持率が低下している状態で、

支持率としては、社民党のショルツ氏が
一歩リードといったところです。

ただ社民党は、現在の政権与党である
CDU・CSUとの連立政権を組んでおり、

日本の自社さ連立政権時代のように、
選挙後も高い確率で3党連立が考えられる状況です。

そして連立を組む時は、日本も同様なことがよく起きますが、
どこまで他の政党との政策の違いに関して
妥協できるかが問題になってきます。

1党で単独過半数を獲得するのは非常に難しい反面、
政策の不一致による悩みは少なくなります。

逆に3党等の大連立政権にすれば、
それだけ議席数が獲得できますが、
政策の不一致が問題となってきます。

恐らく今回も3党による大連立は
避けられない状態になりそうですが、

問題は、どのような形での大連立政権となるか?で、
日本や相場に影響を与えていくことが考えられます。

では、今回の選挙での争点は何か?となると、
ユーロ圏では既にコロナ対策は峠を越えている状態であり、
現在は気候変動問題と財政政策になります。

まず気候変動に関しては、
各党で大きな方向性としてはおおむね同じですが、

緑の党では、気候中立化に関して、
EUでは2050年と設定されているものを、

ドイツで今年成立した
改正気候保護法での目標である2045年を
さらに早めることを目標に掲げています。

具体的には、新築住宅への太陽光パネル設置義務化、
内燃エンジン車の販売禁止、炭素価格の引き上げ等の
規制強化を掲げています。

逆にCDU・CSUでは、規制緩和を訴えており、
達成時期に大きな違いが見られます。

また財政政策に関しては、
CDU・CSUは、コロナによって悪化した財政を、

国の支出総額が収入総額を上回らないように
予算を組むよう義務付ける制度である
債務ブレーキ制度の下、

早く正常化させることを訴える
財政均衡主義を主張しているのに対して、

社民党は、これを否定し、
気候変動に関しての投資に回すべきだと主張しています。

さらに緑の党も、
債務ブレーキ制度の見直しを提言しています。

またドイツでは、
他にもFDPやAfD等、46の政党が存在しており、

その党同士でどのように連立を組むかで、
政権与党がどのような形で生まれるのかが変わってきます。

そして長期政権を担ってきたメルケル首相ですが、
これまでは、中国とアメリカに対して
同等の貿易を行ってきていましたが、

次に考えられることは、
中国に対する影響力の脅威の観点等から、

次期首相が誰になろうとも、

対中国に対しての比重は軽くなっていき、
その反面、その他のアジア国や日本に対しての比重を
重くしていくでしょう

またドイツも日本と同様に
自動車産業で支えられてきた国ですが、

これが脱炭素社会で、
ビジネスモデルを変更する必要もあり、

これをどのように進めていくかは、
日本の産業界でも注目されていくでしょう。

またEUはドイツ中心に、
様々な課題をこなしてきた中で、
今回メルケル首相が政界を引退されるということで、

今後のEUの調整が上手くなされていくのかも、
ユーロの不安材料の一つになる可能性はありそうです。

ドイツの総選挙の結果で、
日本に対しての比重が重くなることによる日本に対しての恩恵、
まとめ役であったメルケル氏の退任で、EU全体の不安定化によるユーロ売り等も、
今のうちから注目しておく必要はあります。

FXをされている方は、特に総裁選の26日前後は、
ユーロ絡みの通貨ペアのポジションメイクには
注意したほうが良さそうです。

中国政府の動向が相場に与える影響

そして中国でも、またもや問題が発生していますね。

中国の不動産開発会社の
中国恒大集団のデフォルトの可能性です。

この影響で、日本株も売られている面もあり、
注目すべき内容です。

具体的に見ていくと、
今月8日に同社の資産運用商品償還が
期日通り行われなかったことで話題となり、

13日には広東省当局が、同社の完成予定の不動産を
抵当(担保)とする融資申請を認めない旨を通達。

そして15日には、中国当局が同社の主要債権銀行に、
期限である20日の利払いが履行できないと伝えました。

また16日には、同社の債権取引が停止されたことで、
同社株は大幅安となり、ダウ先物、日経平均株価も下落、
そしてドル円としても下落した相場となりました。

この一連の動きで、リーマンショックの再来に
繋がるのではないかという不安も一部出ています。

同社の債務は30兆円程あることが明らかとなっておりますが、
売却できる資産もあるとはされており、
どのような形で着地するのかが注目されています。

そして問題は、政府が救済するのかどうかですが、

毛沢東時代の社会主義を掲げる習近平にとって、
富を集中させた同社を破綻に追い込むことは、

一般の中国国民からの支持率アップにも
繋がることになりますので、

救済どころか、
破綻に追い込むことに全力を注げるでしょう。

恒大の創業者である許家印は、
アリババ創業者の馬雲のように、

貧困から成り上がり、
長者番付1位にもなった程の人物です。

馬雲は昨年からアリババが規制の対象となっており、
表舞台から消えている状態であり、
次は許家印をあえて狙ったという見方もできます。

政府からの救済が期待できないとなれば、
恒大が保有資産を投げ売り、
不動産価格形成メカニズムが破壊、
中国の不動産業界全体が機能不全となり、

また恒大には多くの銀行が融資していることから、

中国の金融機関にも波及し、
これが世界中に飛び火する可能性もあります

このことが先日執筆した
チャイナショックに繋がっていくのか、
注目するべきものになります。

今週のFOMCにおける注目の動向

また今週FOMCを控えていますが、
先週、8月小売売上高、
9月フィラデルフィア連銀製造業景況指数で
かなりポジティブな結果になったものの、

ここ最近のインフレの高止まり、
雇用統計の低い数字等を受けて、

年内のテーパリング開始の表明も
後退傾向ということもあり、

パウエル議長の発言も含めて、要注目ですね。

ということで、
今週は恒大の利払い履行不能、
そしてFOMCが控えていることで、

ドル円に関しては、
引き続き非常に難しい相場が続くことが予想され、

またドイツの総選挙も控えていることで、
ユーロの売買もリスクが高くなると思われますので、
これらに関する通貨ペアでは、
あまり無理してトレードする必要は無いと考えています。

逆に、夏枯れ相場も終わり、株式市場等では、
分かりやすい相場になりそうですので、

余裕があれば株式市場にも目を向けてみるのも
面白いのではないかと思います。

以上、何か参考になれば幸いです。

『北田夏己公式メルマガ』無料登録フォーム

ファンダメンタルズを利用できれば、FXで勝つことは難しくありません。
とはいえ、何から学べばよいのか、どうやって利用すればよいのか分かりにくいですよね。

その悩みを解決するのが、『北田夏己公式メルマガ』

利益に繋がるような、最新のファンダメンタルズ情報の入手方法をご提供しているほか、あなたのご質問に直接お答えするコーナーもご用意しています。

テクニカル分析はもちろん、ファンダメンタルズ分析も使いこなせる本物のFXトレーダーを目指したい方は、ぜひ『北田夏己公式メルマガ』にご登録ください。

【免責事項】

無料メールマガジンは、当社に関するご案内の他、投資一般等に関する情報の提供を目的としたものであり、有価証券の購入、保有または売却について助言または勧奨するものではありません。また、無料メールマガジンに含まれる情報は、投資助言を目的としたものではありません。そのため、当無料メールマガジンは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供しません。また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告も行いません。なお、無料メールマガジンに記載された有価証券または投資戦略は、すべての投資家にとって適切なものであるとは限りません。投資を行われる際は、関係書類等をご覧になり、またお客様の投資目的、財産の状況および税務上の取扱いを検討した上で、ご自身の判断で行うようお願い致します。

北田夏己のオススメ講座

357戦352勝、勝率98.5%を叩き出し、
プロも絶句した”世界一カンタンなFXの稼ぎ方”を無料公開しています。

ローソク足だけで利益を生み出すチャンスを見抜き、
勝つことが当たり前のスタイルで、
一気に億万長者へ突き進めるでしょう。

本気でFXで成功したい方は、下記のページをぜひご覧くださいね。

グローバル