市場はすでに金利を見ていない?来年のFXを動かすものは何か

こんにちは、北田です。

先週の雇用統計はポジティブサプライズとなりましたね。

その前日にFRBのパウエル議長が討論会で、
利上げ幅の減速の可能性について言及しており、

またADP雇用統計に関しても低い数字が出ていたこと等で、
ドル売りが入っていたところ、

今回の雇用統計では逆にかなり強い数字が出てきたことで、
一転、ドル買い動意へとなりました。

詳しく見ていくと、
非農業部門雇用者数が前月比で予想+20.0万人だったところ、
+26.3万人と大きく上ぶれ、

また平均時給も前月比+0.6%と
予想に反して上昇したことで、

インフレ減速の後退、
FRBによるさらなる利上げ観測の思惑等から、
ドルが買われる結果となりました。

ただこれは事業調査であって、
家計調査では、雇用減のデータも出てきており、

これにより金利の伸びが低下、
そして再度ドル売りとなって
週を終えた相場となりました。

今後も利上げペース等の思惑によって
通貨が売買されていくでしょうが、

同時に最近の動きを見ると
景気後退の懸念も意識されておりますので、

ちょうど今は、金利で動く相場から、
景気後退が意識されて動く相場に移行する
狭間の時期に該当していると考えています。

イギリスでは既に景気後退入りし、
来年の実質経済成長率も
-1.4%になるとの予測を示しており、

ニュージーランドでも、2023年半ばに
景気後退入りを予想しているとの見方を示しており、

さらにドイツでも、
来年後半以降に景気後退入りが示唆されております。

アメリカでも景気後退懸念が根強く、
また中国のゼロコロナ政策により、

中国、また新興国等でも
景気後退入りが懸念されている状況です。

今年は金利が大きく意識されて各通貨が
売買されてきましたが、

来年以降は、やはり景気後退が意識されて
相場が動いていくことが予想されます。

その上で各通貨を見ていきたいと思います。

米ドルについて

まずはドルからですが、
前述の通り、雇用統計ではポジティブサプライズとなったものの、
インフレ低下の数字も相次いで出てきていることから、

利上げペースの鈍化思惑が引き続き継続しており、
大きなドル買いへと動くことはしばらくはなさそうです。

ただ一方で、このまま利上げを停止し、
即座に利下げに移行することも現状は難しく、

一方方向のドル売り相場となることも
なかなか想定しづらい相場になることが予想されます。

今後の各指標等で、細かい動きは決まっていくでしょうが、
まずは15日の今年最後のFOMCに注目です。

50bpの利上げになるのか、
それとも今回も75bpの利上げになるのかが注目ですが、

現状、50bpの幅となることが有力視されており、
来年は、2月、3月にそれぞれ25bpの利上げをし、
一旦はそれで利上げが停止となる確率が一番高い状態です。

ただこれは今後の指標や、
インフレ動向等で変わっていくことも十分に考えられ、
これらによってドルは売買されていくでしょう。

そして、先週発表されたISM製造業景況指数は49.0と、
約2年半ぶりに50を割れた数字となりました。

これは来年の景気後退入りの可能性がさらに高まったことを示すため、
ドル売り材料となりましたが、
それに続いて今週はISM非製造業景況指数が控えています。

前回は54.4と50を上回っているものの、
その前月の数字よりは低い数字だったことで、
今回はさらにその数字を下回るのかどうかが注目されます。

また先週は、FRBがインフレ指標として重要視している
コアPCE価格指数が発表され、

前年比+5.0%と前月からのインフレ減速を示す数字となり、
利上げペースの鈍化思惑が広がり、ドル売りとなりました。

そしてそれに続いて、9日にはPPIが控えており、
13日のCPIの前哨戦という位置づけで注目されていくでしょう。

この数字が低ければ、
インフレのピークアウトの見方が広がり、
ドル売りとなっていくことが考えられます。

ただ15日に控えているFOMCの
ブラックアウト期間に既に入っている為、

FRBの高官の発言は控えられる為、
各指標が手掛かりとなってドルの売買がなされていくでしょう。

ユーロについて

次にユーロですが、

ユーロ圏でも、インフレピークアウトを示唆する数字が
相次いで出てきています。

先月30日に発表されたユーロ圏消費者物価指数では、
前年同月比で10.0%上昇と、
1年5か月ぶりの鈍化した数字となりました。

またドイツの消費者物価指数でも
前年同月比で10.0%と、予想を下回りました。

さらにユーロ圏生産者物価指数でも前年比+30.8%と、
前々月から鈍化した数字となりました。

ユーロに関しても、15日のECB政策金利の発表を控えており、
まずはこれが意識されてユーロが売買されていくでしょう。

デギンドスECB副総裁も、
高いインフレ率は、今後数ヶ月は続くものの、
来年半ばには落ち着くという見方も示しており、

ユーロ圏でも、
今後はインフレピークアウトとなっていく可能性が高い状況です。

ユーロ圏全体的に、ロシア、ウクライナ間での紛争により、
電力不足やエネルギー価格が高騰していますが、
冬を乗り越えれば、ある程度は収まっていきそうです。

ただ同時に、ECB副議長は
リセッションの可能性も高いことを示唆しており、

ユーロ圏でも、
やはり来年は景気後退が意識されていく年になるでしょう。

ポンドについて

次にポンドですが、
14日に消費者物価指数、15日に政策金利発表が控えています。

前回の消費者物価指数では、前年比で11.1%と高い数字が出ており、
イギリスでもインフレピークアウトとなるかどうかが注目されます。

今回のMPCでも大幅な利上げが予想されますが、
同時に既に景気後退入りを宣言しており、

ポンドを思い切って買っていくことも難しく、
方向感のないような売買が続きそうです。

豪ドルについて

次に豪ドルですが、
次回の政策金利でも25bpの利上げが予想されていますが、

今後は利上げ据え置きも検討されており、
ここから豪ドル買いが大きく入ることは考えにくいでしょう。

また中国経済から大きく影響を受けやすいこともあり、
中国のロックダウン継続や、経済低迷等が続くことで、
逆に豪ドル売りとなることも考えられます。

ただOPECプラス会合で、
今のところ政策維持が予想されていますが、

追加減産ということになれば、原油価格の高騰により、
豪ドルが買われる可能性もあります。

また減産となれば、
各国のインフレはさらに進むことも考えられる為、

ドルやユーロ等も同時に買われる可能性もあり、
今後の原油価格の動きにも注目です。

円について

最後に円ですが、
日銀のマイナス金利政策解除や、
YCCの停止等がささやかれるようになりました。

直近では地銀の株が軒並み上昇したほか、
再編等の動きも予想されており、

一部では、日銀の政策変更を予想している投資家が
増えてきているように感じる相場となっています。

ただ同時に、やはり今後は景気後退の懸念により、
安全通貨である円が買われる動きは濃厚だと考えています。

円が買われることで、日本の輸出企業は利益を減らすことになり、
それがさらに景気後退の懸念へと繋がり、

そしてさらなる円買いへと繋がっていく相場も
想定しておく必要があります。

そうなれば、日銀としても金融緩和を継続させるでしょうが、
今後は日本でもさらなるインフレ、

そして賃金アップが見込まれていきますので、
日銀の政策変更も視野に入れながら、円を見ていく必要があります。

まとめ

以上、各通貨を見てきました。

現状の為替市場は金利を中心として動いていますが、
今後は景気後退がテーマになっていくことが予想され、

今はちょうど転換期にあたる時期であり、
なかなか読みにくい相場が続くことが予想されます。

金利の上昇する国の通貨が買われていくといった
これまでの方程式が変わり、
新たな法則で各通貨が売買されていくでしょう。

これはやはり普段から
ファンダメンタルズを見ていかないと気付かないことであり、

常に適応させてトレードしていかないと
なかなか利益に結び付けることができなくなります。

今年も残り1か月を切りましたが、
感謝祭も終わり、これから年末相場になっていき、
売買も薄商いになっていくでしょう。

そうなれば、より一層難しい相場になることが予想されるため、

「休むも相場」という言葉がある通り、
判断できないときはトレードしないというスタンスも持ちながら、
相場を見ていくと良いでしょう。

以上、何か参考になれば幸いです。

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