相場は力学、ブレイク成功の決定打となる「圧の高まり」に注目すべし

いつもご覧くださり、ありがとうございます。
今回は値動きのことをお話したいと思います。

テーマはブレイクアウトなのですが、
ブレイクする時の値動きと言ってもいろいろあります。

たとえば、こんな風にたずねられたら、
どのように答えればよいでしょうか?

「通常の多くのブレイクと指標発表時のブレイク、決定的な違いとは?」

値動きの大きさ?
確かにそれも目に見える、わかりやすい違いです。

しかし、指標発表時の値動きがいつも必ず大きいわけではありません。
通常の多くのブレイクでも大きな値動きはあります。

ヒントはブレイクの前段階で――

「通常の多くのブレイクにはあって、
 指標発表時のブレイクには無い要素」。



答えは【ブレイク前の保合(もちあ)い圧力】です。

まず簡単に違いを記すと、

経済指標時のブレイク:いきなり飛ぶ。一気にラインを抜き去る
通常の多くのブレイク:保合いで圧を高めてから抜ける

通常の多くのブレイク、特に信頼性が高いブレイクの前段階では、
四角形の保合い(フラッグ型)、三角形の保合い(ペナント型、ウェッジ型)が出現して、
圧の飽和を待つような動きが観測されます。

4時間足や日足といった比較的長期の足でも、
日中の5分足など短期足においても、やはりこの動きは見られます。

そして、デイトレードにおいてブレイクアウト戦術を採る場合、
この「圧の高まり」を注視することは大変重要です。

さて、この「ブレイク前の圧の高まり部分」を指す用語ですが、
的確に言い表す言葉が日本語には見当たりません。

上昇に限定して言えば、昔の相場用語で「台張り」が近いのかなと思いますが、
上昇下落をまとめてを指す日本語を私は知りません。

一方で英語には存在していて【ビルドアップ】と言います。
一言なので便利ですね。

短期的なクラスター(固まり)によって形成される、ブレイク前の圧力醸成部分。
形状が四角でも三角でも、上昇時でも下落時でも「ビルドアップ」と言えば済みます。

ところで、先ほどまでの記述で
通常の“ 多くの ”ブレイクとしつこく記してきたのには理由があります。

このビルドアップが有るか無いかが
ブレイクの成功率と大きく関係しているからです。

時々、ビルドアップが無い、もしくはほぼ無いに等しいブレイクアウトが
例外的に起きることがあります。

これが、いわゆる“ ダマシ ”になるケースが多いですね。
もし関心があれば、実際にチャートでお調べになってみてください。

ラインより離れた位置から強引かつ一気にブレイクを試みる場合、
そのブレイクは失敗することが少なくありません。

その理由は、ビルドアップが無いからです。

一方で、ライン際で充分なビルドアップを形成したのち、最後の最後で、
保合いの頂点に限りなく近いタイミングになってから抜けて来る時、
そのブレイクは成功率が高くなります。

相場は力学というのがよくわかります。

参考にしていただけましたら幸いです。
今回もお読みくださり、ありがとうございました。