トレンドの異変に気づくための「秘儀」とは

sudoh_20211223

こんにちは、須藤一寿です。
ご覧くださり、ありがとうございます。

今回は年の瀬ということもあり、
若干、昔ばなし的な要素もあるのですが、

意外と相場の本質にも関係のある、
ちょっと珍しい話をしたいと思います。

突然ですが、あなたは、

方眼紙のようなものに、
手書きでチャートを書いたことがおありでしょうか?

もしあれば、
あなたはかなり珍しい人です(笑)

あるいは、
筋金入りのベテラントレーダーさんかもしれません。

この「手書きチャート」は、PCはおろか、
スマホでも気軽にチャートが見られる今の時代、

果たして意味などあるのかと
疑問に思われる方も多いと思います。

今となっては「訓練のための根性論」みたいに
捉えられがちなのですが、

実はそう片付けるには
勿体ない要素も含んでいます。

私も少しの期間、
試してみたことがあるのですが、

ある時、面白い事態が発生しました。

紙が縦に足りなくなったのです。

横はわかりますよね。

時間が過ぎていくわけですから、
普段のPCなどで見るチャートと同じように、
右へ右へ更新していかなくてはなりません。

ところが、縦は予想外でした。

もちろん、普段は大丈夫なのです。
ある程度計算して縦の目盛を振っていますからね。

ところが、
想定以上のトレンドが発生した時、

コンピュータのようにスケールの自動調整は、
紙では当然できませんから、
縦方向に端からはみ出る事態になります。

この時は怒涛の下落でしたから、
右斜め下へ下へ、紙を足していくことになります。
大変です。

こういう時、手で書き書き、
紙を切り貼りしながら実感します。

「ああ、トレンドを肌で感じるというのは、こういうことなのかな」と。

この経験から、
コンピュータのスケール自動調整には、
一長一短があるなと思いました。

上記の経験から読み取れるように、

自動スケールの一番の欠点は、
【値幅の真の実態が埋もれてしまうこと】だと思います。

常にモニターの幅に収まるように調整されるので、
当然と言えば当然ですね。

言い方を換えれば、
「異変に気付きにくい」
――これに尽きると思います。

ちなみにMT4では、チャート上で右クリック
→プロパティで「スケールの固定」をすることができます。

この機能で、
手書きと同じ現象を少しは味わうことができるでしょう。

その状態で、
チャートをスクロールさせてみてくださいませ。

チャートが縦に消えたり現れたりします。

ローソク足であれば、
正味の大きさのまま見ることができます。

何が言いたかったかと申しますと、
世に言う「便利さの中で失ったものもある」というのは、
相場の世界にも当てはまるのではないかということで、

しかもその“失ったもの”とは、
意外と本質的な、正味のスケール感でこそ気付く異変であり、

トレンドの本物のダイナミックさであるように
感じるということです。

手書きは大変ですが、
4時間足ぐらいで書き続けると、
何か良いことがあるかもしれません(笑)

お読みくださり、ありがとうございました。