米国の金利引き上げ、ついに終わる?ドル売りのタイミングを見逃すな
こんにちは、北田です。
本日の記事でも、
トレードに大きく関わる主要通貨が
今後、売りなのか?買いなのか?
その“答え”を、明確な根拠も交えながら
徹底解説していきます。
先週の注目ニュース振り返り
先週は、各国でイースター休暇や重要指標発表等もあり、
荒っぽい動きをする場面もあれば、薄商いとなる相場もあって、
方向感の掴めない1週間だったのではないかと思います。
各指標を確認すると、
ISM製造業景況指数では、前回47.7だったのに対して、
結果は46.3となり、2021年3月をピークに低下し続けていることになります。
またISM非製造業景況指数では前回55.1に対して、
結果は51.2と、前回から低下した数字となりました。
これらの指標は、労働市場の鈍化の兆候を示唆しています。
昨年は人手不足による数字の低下でしたが、
今年に入ってからは、解雇等による影響であって、
需要そのものが弱くなっていることを示しています。
またADP雇用統計では前回24.2万人だったのに対して、
今回は14.5万人と大幅に減少しました。
さらに先々週までさかのぼると、
ミシガン大学消費者信頼感指数では、
前回63.4だったのに対して、今回は62.0、
またPCEデフレーターでは、
前回5.4%だったのに対して、今回は5.0%と低下していました。
加えて先週発表されたJOLT求人件数では、
1000万件を割り込み大幅に減少しました。
こちらは2カ月間で130万件の求人が減ったことになり、
コロナ禍も上回った減少ペースになります。
採用自体も16.4万人減の6163万人と21年5月以降で最低となりました。
これらの結果を受けて、
マーケットではリスクオフに反応し、
米国株、日本株が売られ、円買いとなりました。
先月はSVBの破綻やクレディスイス等により、
金融不安の懸念でリスクオフになっていましたが、
ここ最近の指標を見ていると、
SVB等の金融不安とは関係無しに、景気後退の兆候が見え始めている気がします。
来週のエントリーポイント総まとめ
では以上のことを踏まえて、
みなさんお待ちかね、
主要通貨ペアの動向を一気にお届けします!
米ドルについて 売り?or買い?
答え:売り
解説:以上の出来事を受けて、
今年後半ではFRBの利下げ観測も予想されており、
特に2年債利回りは大きく低下しています。
FRBの高官達の最近の発言を聞いていると、
まだまだインフレ圧力が懸念されているとのことで、
5月のFOMCではもう一度利上げが行われるでしょう。
しかし、その後は景気後退入りによって、利下げに転じる
というのが、現在は大方の見方になっています。
これらのことから、
今後も株式市場は全体的には厳しい展開となり、
ドルも売られやすい状況になるのではないかと考えています。
まずは今週発表されるCPI、小売売上高に注目です。
ユーロについて 売り?or買い?
答え:状況次第では売り
解説:次にユーロに関しては、
ECBの大幅利上げ観測が再燃しており、
ユーロは底堅く動く展開となりそうです。
ただフィンランドがNATOに加盟したことで、
地政学的リスクの懸念からユーロが売られる展開も
予想しておく必要はあります。
ポンドについて 売り?or買い?
答え:原油価格が上がれば買い
解説:ポンドに関しては、
イギリスがTPPに加盟したことや、
経済指標において堅調な数字が続いていることを踏まえると、
原油価格がさらに上昇するようでしたら、
ポンド買いとなりやすい相場となるでしょう。
豪ドルについて 売り?or買い?
答え:雇用統計の数値が改善すれば買い
解説:豪ドルに関しては、
先日利上げ停止としましたが、
状況に応じた追加利上げが示唆されています。
まずは今週の雇用統計に注目です。
労働市場のひっ迫が確認できれば、
さらなる利上げ観測が再燃し、
豪ドルが買われることになるでしょう。
NZドルについて 売り?or買い?
答え:どちらともいえない
解説:NZドルに関しては、
先日は予想外に50bpの利上げが行われ、
NZドルは大きく買われました。
今後もさらなる利上げが行われる可能性も残っていますが、
既に相場では織り込まれている為、
ここからさらに買っていくには、
新たな材料が無い以上難しいと考えています。
カナダドルについて 売り?or買い?
答え:どちらともいえない
解説:カナダドルに関しては、
政策金利発表を控えていますが、
据え置きが予想されています。
これによりカナダドルを買っていくことは難しいと考えていますが、
原油価格の上昇により下支えされるでしょうから、
売っていくことも考えにくい状況が続くでしょう。
日本円について 売り?or買い?
答え:4月末の日銀金融政策決定会合に注目!
解説:最後に円に関してですが、
黒田総裁が任期を終え、植田新総裁が誕生しました。
直近の需給ギャップは、マイナス0.43%になったことが発表され、
これで11期連続マイナスとなりました。
需給ギャップがマイナスということは、
デフレを後押しすることになりますので、
これを受けて植田新総裁はどのようにしていくかが注目されます。
一部ではYCCの撤廃や修正等の話も出ていますが、
これまでの植田総裁の話を聞いていると、
すぐに政策が変更される可能性は低いでしょう。
まずは4月末の日銀金融政策決定会合に注目です。
まとめ
以上各通貨の状況と今後の展望を解説しましたが、
今後の市場においては「景気後退」をテーマとして、
相場が形成されていくでしょう。
株式市場でも為替市場でも他の市場でも、
この景気後退がどこまで進んでいくのか、
これにより今後の動きが決められていきそうです。
以上、何か参考になれば幸いです。
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