いま世界中の投資家が注目する『イベント』

こんにちは、北田です。

本日の記事は
4月24日執筆時点での見解になります。

先週末のNYダウは、
1000ドル近く下げて取引を終えました。

パウエルFRB議長が、
5月のFOMCで50bpの利上げを示唆したこと、
さらにQTも5月に始まる予定とのことで、

景気が落ち込むとの思惑から、
景気敏感株や消費関連株中心に売りが入ったためです。

※bp=金利の表示単位で、0.01%のこと。
※QT=量的引き締め。段階的に拡大したバランスシートを圧縮させること

また金利上昇から高PER(株価収益率)の
ハイテク株も大きく売られた相場となりました。

5月FOMCでの50bpの利上げは、
為替市場では既に大きくドルが買われてきており、

多くの投資家が株式市場でも
既に織り込まれているものと考えていたかと思いますが、

サプライズ的な下げとなり、

改めて今後の金融引き締めが、
株式市場にとって上値を抑えるものだと
認識させられたように思います。

ちなみに、24日からは、
『FOMC直前に重要な発言は控える』
ブラックリスト期間入りとなるので、

金融引き締めに関して言えば、

FOMCまでは、
相場が大きく動くことはなさそうです。

また、現在、
アメリカの金融引き締め政策だけではなく、

世界的なインフレ、ウクライナ情勢、
中国上海のロックダウンの影響 

といった内容が、
市場全体で注目されています。

インフレに関しては、

スリランカやペルーでは
食料が手に入らなくなり、

大規模なデモが発生、
死者も出ている状況になっており、

小麦等の穀物価格の高騰、
そして世界的な食糧危機まで
叫ばれるようになっています。

またウクライナ情勢により
木材価格の高騰、建築が滞る等も発生しています。

さらには、EU圏内では天然ガスの高騰により、
電気代が昨年よりも2倍以上の価格になり、

日本でもガソリン価格の高騰により、
『トリガー条項』凍結解除等が、
叫ばれる程となってきています。

※「トリガー条項」はガソリン税の上乗せ分約25円を
 一時停止する仕組み。現在は凍結されている。

少なくとも3月に原油価格が
高値をつけているので、

これが反映される3カ月後の6月くらいまでは、
電気代の値上げが続きそうです。

これらのことから、

やはり消費の落ち込みにより、
景気が後退するとの思惑から、

今後も株式市場全体としては、
厳しい状況が続きそうです。

ただ個別株等で見ていけば、
電気自動車のテスラが好決算を出したり、

半導体不足の緩和等も
一部で見られたことで、

これらの銘柄が
再度脚光を浴びたり等、

個々に見ていけば、
利益を求めていける場面は
十分あると言えます。

その上で、為替市場に関して
見ていきたいと思います。

米ドルについて

まずドルに関しては、
やはり、まず、

5月5日に行われるFOMCに向けて
売買されていくでしょう。

FOMCは日本では、GW中に行われるので、
日本の株式市場は休場となっていますが、

その後のパウエルFRB議長の声明で、
さらなるタカ派的な内容が出てくれば、

ドル買いの勢いが強まり、
5月6日の日本の株式市場で大きく下落することも
十分に考えられますので、注意が必要です。

利上げ幅については、
一部50bpからさらに75bpの利上げを主張している
FRBメンバーも出てきており、

さらなるタカ派的な内容が
出やすい状況だと言えます。

ただ前回の米コアCPIで、
インフレのピークが見られた可能性もあり、

今後はこれが注目されて、
さらなるタカ派的な内容となっていくのか、

それともインフレが
ピークを迎えたと判断されるのかが、
注目されていきそうです。

日本円について

先週はドル円市場でさらに急進し、
一時、1ドル129円台にまで乗せてきました。

先月に続いて今回も
日銀が10年国債で指し値オペ実施を通告したことで、
さらなる円売りとなりました。

そして20日にG20財務大臣・中央銀行総裁会議、
翌日には鈴木財務相とイエレン米財務長官との
2カ国財務相会談が行われました。

鈴木財務相は円安の危機感を訴えたものの、
各国の反応は薄く、

また黒田日銀総裁としては、

円が下落しても積極的な金融緩和を継続する必要性を
訴えたことで、円安が継続しました。

一時、日米の協調介入等の噂もありましたが、
高インフレで悩まされているアメリカにとって、
『ドル安』政策をすることは難しく、

改めて、為替介入をすることは難しいことが
示された会談になったのではないかと思います。

また日本でもインフレ懸念がされていますが、
構造上アメリカとは違い、

あくまでもエネルギー価格の高騰や
ウクライナ情勢によって、
各商品の価格が上昇しているだけであって、

サービス価格そのものが
上がっているわけではないので、

やはり金融引き締めに傾くことは
難しいのではないかと思います。

まずは28日の日銀金融政策決定会合での、
2022年度と2023年度の消費者物価コア指数の見通しや、
物価目標2%達成の可能性に関して

総裁の発言等に注目です。

ユーロ・ポンドについて

ユーロ円も高進しており、
一時140円を付け、約7年ぶりの高値となりました。

円安の影響もあり
上昇したわけですが、

同時にECBのラガルド総裁が、
年内の利上げに言及したことで、タカ派に転じたと捉えられ、
さらなるユーロ買いが期待できる状況となりました。

副総裁も利上げ時期を7月と言及しており、

4月29日の消費者物価指数で
高い数字が出てくれば、利上げ期待がさらに高まり、
さらなるユーロ買いへと向かうでしょう。

またそれに先立って、

6月の政策会合で
APPを終了されるかどうかが注目されており、

これが終了となれば、
早期の利上げが意識されることとなります。

また、24日にフランスで
大統領選が行われますが、

現段階では
マクロン大統領が優勢となっていますが、

ルペン氏となった場合は、
週明け大きくユーロが動きそうです。

仮にマクロン大統領が再選となっても、
右派の勢力がこれほどまでに拡大していることが

今後のフランスやEU全体において
どのように影響していくかも注目しておく必要はあります。

次にポンドですが、

イギリスでも追加利上げが
期待されていましたが、

3月小売売上高が
2ヶ月連続マイナスとなり、
ポンド売りとなりました。

インフレと同時に
成長鈍化が見られている状況ですので、

BOEとしては
難しい判断を迫られていると言えます。

オージーについて

次にオージーですが、

5月3日の会合では
金利は据え置きとはなるでしょうが、

早期利上げが示唆されれば、
さらなるオージー買いが見られるでしょう。

また、それに先立って

4月27日に
消費者物価指数が発表され、

高い数字が出てくれば、
早期利上げの後押しとなる為、

ここでもオージー買い
となる可能性もあります。

ニュージーに関しても、
追加利上げが見通されており、

さらにロシア・ウクライナ戦争の長期化から、

資源や農産物の高騰による
ニュージー買いも同時に入りそうです。

まとめとGWの注意点

ということで、各通貨の状況と
今後の見通しについて解説しましたが、

現在はやはりインフレと
低成長が同時に起きている状況で、

各中央銀行の判断に
注目されている状況と言えます。

インフレ、各中央銀行の政策、
ウクライナ情勢、中国経済の減速、

この辺りがキーワードとなって
今後も相場が形成されていきそうです。

また日本では
GWに入っていきますが、

FOMCや米雇用統計、
また決算時期でもあることで、

大きな値動きとなる可能性もあり、
ポジション調整等は十分に気をつけて
トレードしていきましょう。

以上、何か参考になれば幸いです。

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