トランプ氏の再登場は何をもたらすのか?アメリカ中間選挙のあとを考える
こんにちは、北田です。
先週はISM製造業景況指数、ISM非製造業景況指数、
そしてFOMC、雇用統計と忙しい1週間でしたね。
今回のFOMCでは、75bpの利上げは既に織り込まれており、
焦点は12月に50bpの利上げなのか、それとも75bpの利上げなのかでした。
それに先立って、ISM製造業景況指数も発表されました。
結果は前回の50.9より低い数字の50.2となりましたが、
予想の50.0よりは高い数字となりました。
また中身を見ていっても、新規注文、生産、雇用に関して
前月に比べ、揃って高い数字となっており、
配送と在庫の数字が減っていることから、
在庫や運送の滞りが解消されたということが分かります。
全体的に良い数字だったということで、
FRBの利上げペース加速の思惑から、
ドル買い、株売りと相場は反応しました。
またJOLT求人件数、建設支出に関しても、改善した数字が出てきたことが、
利上げペース加速の後押しとなりました。
FOMCについて
そんな中でFOMCを迎え、自分はリアルタイムで
パウエル議長の声明および会見を観ていました。
まずは前半の声明文で、新たに出てきた文言を要約すると、
「利上げの効果は遅れて出てくる」
「累積的な金融引き締めを考慮すべき」
と12月の利上げ幅を抑えるようなことが示唆されたことで、
国債金利の低下、ドル売り、株価上昇と反応しました。
ただその後、ターミナルレートは往来の数字よりも上回る
可能性があると言及されたことがタカ派姿勢と捉えられ、
その後は、国債利回りが反発し大きく上昇、
ドル買い、株安へと反応しました。
結局のところ、今後の利上げペースは、
今後発表されるCPIやPPIの数字に委ねられることになりました。
雇用統計について
そして週末に雇用統計を迎えました。
結果は、非農業部門雇用者数は予想+19.6万人に対して、結果26.1万人、
と強い数字が出たものの、
失業率は予想3.6%に対して、結果3.7%と高い数字となりました。
ただ労働参加率は低下しており、
失業者も増えていること、
またISM製造業景況指数の雇用に関しても、
雇用の部分が増えていることを考えると、
人手不足はやや改善しつつあるということが分かります。
そうなると、賃金の上昇がやや緩やかになり、
FRBとしては利上げペースを鈍化させることも可能になるので、
このことで、週末はドル売り、株高へと反応したように思います。
雇用統計の表向きの数字だけを見てみると、総じて強い内容で、
ドル買い、株売りへと一旦は反応しましたが、
細かい数字を見ていくと、やはり利上げペース鈍化を後押しする
内容だったのではないかと考えることができます。
そして現在の市場関係者や投資家界隈では、
この辺りがインフレのピークで、
この後はFRBが利上げペース減速させていくだろうというのが
大方の見方になっています。
CPIと原油価格について
ただ、CPIの数字を見ていると、
結局CPIの数字が下がっているのは、
エネルギー価格が下がっているからです。
最近は、住宅価格も少し落ち着いてきており、
賃金も先ほど述べたように、落ち着きつつあるものの、
家賃や賃金、食料品価格は依然として
高い状況であることに変わりはありません。
また、最近は原油価格が再度上昇してきていることにも
注視しなければいけません。
先日サウジアラビアが、日量200万バレルの減産を発表し、
さらに中国では、ゼロコロナ政策の解除等の噂も出始めてきました。
アメリカとサウジアラビアの関係は過去最悪になっており、
サウジアラビアとしては、今後もアメリカに遠慮なく、
減産していくことが予想されます。
また世界最大の石炭、石油消費国である
中国が経済再開となれば、
原油の需要が一気に高まり、
原油価格が再度高騰する可能性もあります。
仮に今後、原油価格が再度高騰していった場合は、
やはりCPIの数字も高くなっていき、
FRBのタカ派政策が続く可能性もあることを
同時に考えておかなければいけません。
FRBが燃料や食品価格を除いたコアCPIを重視していると言えど、
燃料価格の高騰で、国民の生活が圧迫していくことに変わりは無いので、
バイデン政権としては、やはりインフレ対策の強化を
引き続き行わざるをえないことが予想されます。
アメリカ中間選挙について
そしてそんな中で、
今週はアメリカ中間選挙が行われます。
今のところ世論調査では、
下院は共和党が過半数を取り、
上院が接戦の状態となっています。
仮に共和党が上下両院ともに過半数を取った場合は、
石油関連株にプラスとなると考えています。
現に、エクソンモービル、シェブロン、オキシデンタル等の
石油関連会社の株価は軒並み上昇しており、
市場には、今後の原油価格の高騰ないしは共和党の勝利が
織り込まれているようにも見えます。
また共和党は、ドル高是正を進める可能性もあり、
選挙の結果によって、今後のドルの行方等も変わってきそうです。
以上を踏まえ、為替市場を見ていきたいと思います。
米ドルについて
まずはドルからですが、前述した通り、
今後のFRBの利上げペース鈍化によるドル売りと
決めつけるのは時期尚早で、
原油価格の動向や、
中間選挙の結果を踏まえて判断していく必要があるでしょう。
また、サウジアラビアの減産を受けて、
バイデン政権がサウジに対して報復するとまで言っており、
武器売却等が制限される可能性があります。
これを受けて、イランがサウジやイラクに対して武力攻撃をする
可能性が出てきました。
また中国共産党大会を終えて、
習近平の3期目が決定し、より独裁色が強まった人事となりました。
これにより台湾侵攻を反対するメンバーもいなくなり、
台湾侵攻の時期が早まったという見方もできます。
またここ最近頻発している北朝鮮のミサイル実験等も、
地政学的リスクを高めています。
近年は北朝鮮がミサイル実験をしても、
市場があまり反応しなくなっていましたが、
先週ICBMを発射した時は、さすがに市場も反応を見せ、
この時はリスク回避の円買い動意が見られました。
ドルは安全通貨として買われやすい通貨ですが、
最近は、東京市場で地政学的リスクが発生すると円が買われやすく、
ニューヨーク市場で地政学的リスクが発生するとドルが買われる傾向があります。
ここ最近は世界各国で
地政学的リスクの懸念が高まってきており、
リスクそのものの内容にもよりますが、
ドルを売買していく時は、これらの動きにも注意しながら
見ていく必要があるでしょう。
また今週はCPIを控えており、この結果が
今後のFRBの政策の手がかりとなっていきますので、
指標発表前後のポジションメイクには注意しましょう。
なお、アメリカの中間選挙後、
トランプ前大統領が出馬表明する可能性もあり、
中間選挙の結果等も含めて、ドルの行方が大きく変わる可能性もあります。
ユーロについて
次にユーロですが、
ユーロ圏のCPIでは前年比+10.7%、
コアでも+5.0%と予想以上に高い数字となり、
12月のECBの75bpの利上げ観測が
さらに高まった内容となりました。
ただEU圏内はアメリカ以上にインフレが続いており、
また景気後退懸念が進んでます。
特にイタリアの財政危機や、
EU圏内のウクライナ支援に反対するデモが
連日のように行われている状況下で、
EU離脱の加速の動きも見られ、
中々ユーロを買っていく相場にはならないと考えています。
ポンドについて
次にポンドですが、
BOEが75bpの大幅な利上げを行いました。
ただ、経済のマイナス成長が見通され、
ターミナルレートも今後低い金利になることが示唆されたことで、
ハト派的な内容と捉えられ、ポンド売りとなりました。
また新しくスナク元財務相が首相に就任し、
増税案がどのようになっていくかに注目されていますが、
まずは11月17日の中期財政計画の発表を待つことになりそうです。
少なくとも、増税案の具体的な内容が出てくるまでは、
ポンドは中々買い辛い展開が続きそうです。
現在のイギリスは、EUから離脱したことで、
労働力が高くつき、投資も入り辛くなってきている状況で、
さらにエネルギー価格や原材料価格の高騰で、
他の先進国よりもインフレが進んでしまっている状況です。
そしてGDPは押し下げられている状況ですので、
一刻も早く、他国との経済連携等が必要になってきます。
イギリスの保守党内では、
EUに戻りたい派の人達も一定数居ますが、
EUに戻ることが現実的でないなら、
ジョンソン政権の時から加盟申請していたTPPに
早期に正式加盟する流れとなっていきそうです。
仮にTPPの加盟が遅れるのなら、
メイ政権の時のように中国との関係を強化する可能性もあります。
今後のイギリス経済は、TPPにいかに早く加盟できるかが
大きな焦点となっていきそうですので、
その辺りも見ていくようにすると、
ポンドの行方が予想しやすいのではないかと思います。
豪ドルについて
次に豪ドルに関して。
RBAは予想通り25bpの利上げを行いましたが、
インフレ率は年内にピークに達すると予想しており、
利上げペースの鈍化が示唆されました。
またGDP見通しも減速が予想され、
中々豪ドルを思い切って買っていける状況では無いと考えています。
カナダドルについて
カナダドルに関しても、
BOC理事会で、今後の展開として
引き締め局面の終了が近づき、
今後は予想を下回る利下げ幅にとどまる可能性に触れました。
昨年、早期に利上げを開始した中央銀行からは、
利上げ停止の示唆等も出始め、
これがアメリカやEU、イギリス等に金利政策に
どのように影響を与えていくかも気になるところです。
円について
最後に円ですが、
衆議院財務金融委員会で黒田日銀総裁が、
将来的に物価安定目標2%の実現が見通せる状況になった時には、
イールドカーブコントロールを柔軟化する等、
今の政策を直すことも選択肢だ
と述べたことで、
ドル円が下落した場面が見られました。
現状は金融緩和が継続されている状況ですので、
イールドカーブコントロール政策のもと、
日本国債を買って、円を売りつつも、
為替介入で米国債を売って、円を買うという状況が続きそうです。
また円は地政学的リスク時に、
安全通貨として買われる場面もありますので、
今後、北朝鮮が核実験に踏み切った際等は
大きく買われる場面も予想されます。
円のポジションメイクについて、
資金管理に十分気をつけていく必要があるでしょう。
ということで、各通貨見てきましたが、
ロシアのウクライナ紛争、
北朝鮮のミサイル実験、
中国の習近平体制など、
それぞれフェーズが変わってきており、
偶発的なことが非常に起きやすい状況となっています。
これが相場の難しいところですが、
いくら各国の経済状況や金利を調査したところで、
大規模な金融ショックや戦争等が起きれば、
それとはまったく逆の動きをしていくことが大いにあります。
ですので、常に最新情報を仕入れ、
投資、トレードをしていかないと、
利益を得るどころか、大きな損失にも
繋がってしまう可能性が十分にあります。
「情報を制する者が相場を制する」
と言われているように、
常に最新の情報を得ていくことで、
相場で有利に戦っていけるようになります。
以上、何か参考になれば幸いです。
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