第三次世界大戦への懸念。地政学的リスクが相場に与える影響とは

こんにちは、北田です。

先週はG20やAPECが開催されましたね。

自分が住んでいるタイでは
今年はAPEC開催国となっているため、

開催地周辺ではバリケードが立てられたり、
一部通行止めになったりしていましたが、

その反面ライトアップされている場所もあり、
少し日常とは異なった雰囲気を味わうことができました。

タイの夜景-ライトアップされた噴水
タイの夜景-船の行き交う河川

APECでは、岸田首相が、中国の習近平国家主席と
約3年ぶりの日中首脳会談を行い、

尖閣諸島周辺での領海侵犯の件や、
台湾海峡の平和と安定の重要性が話し合われ、

また核戦争を行ってはならないという見解で一致し、
日中関係の向上に繋がったのではないかと思います。

一方バリ島で開催されたG20では、
欧米とロシアが激しく対立した場面もありましたが、

ウクライナの戦争について、
ほとんどの国が強く非難し、その旨が宣言されました。

しかしながら、G20の開催中に、
ポーランドにミサイルが着弾するという
世界をびっくりさせる出来事が起き、

一時は第三次世界大戦になるのではないか
という懸念まで広がりました。

今のところは、ロシアからのミサイルではなく、
ウクライナの迎撃ミサイルという説が濃厚となり、
地政学的リスクは落ち着きましたが、

やはりこの時は、株式市場でも為替市場でも
相場が揺れ動きました。

株式市場では、やはりリスクオフで
株が売られることになり、

為替市場でも、円買い動意が見られました。

特に株式市場では、第三次世界大戦の懸念から、
核戦争が想定されたからなのか、
防衛関連銘柄や、ヨウ素関連の銘柄が上昇しました。

また北朝鮮のミサイル実験については、
最近は市場があまり反応しなくなったものの、

先週金曜日にICBMがEEZ内に落下した時は、
やはり円買い動意が見られました。

為替市場は、大きな視点では
金利で動くことが多いものの、

やはりこういった突発的な
地政学的リスクによって、

急激な価格の変動というのが
常に起きる可能性がありますので、

特に今の時期は注意しておく必要があると、
改めて先週の相場から感じました。

さてその上で各通貨を見ていきます。

米ドルについて

まずはドルからですが、

アメリカで発表されたCPIで
予想よりも低い数字が出たことがきっかけで、
ドルが売られる相場となりました。

中身を見てみても、
エネルギー関連だけではなく、家賃や中古車等も
ピークアウトした傾向が見られ始めたことで、

インフレのピークアウト、
そしてFRBのハト派移行の思惑等から、
ドルが売られる流れになりました。

さらにその後発表されたPPIでも
低い数字が出たことで、

よりインフレのピークアウトの観測が
広がることになりました。

また小売売上高では、前月比+1.3%と
予想よりも高い数字となりました。

細かく見ていくと、
特に食料品の売り上げが伸びており、

またハリケーンの影響からか
自動車の購入数も増える結果となりました。

ただクレジットカードでの購入も増えており、
小売売上高の高い数字は一時的となる可能性が高いです。

これらのことから、
来年は景気後退がテーマとなりそうだと
改めて感じさせられました。

また各FRB高官からは、
タカ派発言やハト派発言が交互に出ており、
これらによってドルが売買されていますが、

結局12月の利上げ幅はどうするのか、
さらにターミナルレートはどうなるのか
という思惑等から、

現在は大きな目線で見ると
様子見ムードになっています。

そしてそれを示すものが
今週公表されるFOMC議事要旨です。

ここでは前回のFOMCで
どういった会合がなされたのか、
何人のメンバーが利上げに賛成したのか、

今後の利上げペースを予想する上で
重要な内容が公表されることになります。

この内容によっては、またドルが
大きく売買される可能性もありますので、
注意が必要です。

ユーロについて

次にユーロに関してですが、

EUでも、やはり今後の利上げペースや
幅等の思惑から、ユーロが売買されています。

ユーロ圏ではインフレ率が10%を超えており、
アメリカ以上にインフレが深刻です。

しかしながら、アメリカと違い、ユーロ圏では
EUに所属する様々な国の経済状況を鑑みながら
利上げ政策をしていかなければいけません。

インフレ率が異常に高い国もあれば、
またまだ金融緩和をしないといけない国もあります。

これらの国々をトータルで考えて、
金融政策を練っていく必要がありますので、

どうしてもアメリカ等のように、一国のことだけを考えて
金融政策を遂行していけばいい中央銀行に比べると、
利上げペースは鈍化せざるを得なくなります。

このような背景もあり、
今年はユーロが相対的に売られてきていましたが、

現在はアメリカの利上げペース鈍化思惑から、
ドルよりもユーロの方が買われやすいという
ちょうど転換期に来たタイミングとなっています。

もちろん今後の経済指標の発表次第ですが、
まずは今週もPMIや景況感指数等を手掛かりに、
ユーロを売買していくと良いでしょう。

ポンドについて

次にポンドですが、

イギリスのCPIで前年比+11.1%と、
41年ぶりの高い数字が出てきました。

さらにPPIに関しては、
前年比+14.8%と、ユーロ圏以上に
インフレが続いている状態になっています。

今イギリスでは、4人に1人が
日用品を買えない状況にまでなっており、

フードバンクも食料品が
不足している状況になってしまっています。

そしてそんな中、17日にハント財務相は、
増税と歳出削減をする為の財政再建計画を公表しました。

トラス前首相の大幅減税とは逆に、
今回は増税という形になります。

ただ増税は、好業績の企業や
富裕層に対するものがメインであるものの、

現在企業や家計向けに光熱費支援をしているものを
来年の春から縮小することも盛り込まれており、
より生活が苦しくなる可能性もあります。

またハント財務相は
イギリスは既に景気後退期入りし、

来年の実質経済成長率は
-1.4%になることを発表しており、

イギリスでは一足先に
景気後退が決まりました。

円について

そして最後に円ですが、

日本でも10月の貿易赤字が過去最大となる
2兆1623億円の赤字にのぼり、
これで15ヶ月連続の赤字となりました。

日銀が為替介入をしているものの、
貿易赤字により円安が進んでいることも

今後のドル円の動きを見る上では
重要な要素となります。

また日本の7-9月期の決算が
ある程度出揃いましたが、

概ね、資源価格や原油価格の高騰等が
収益を圧迫している一方、

円安効果でなんとか利益を出している会社が
多いイメージでした。

現在FRBの利上げペース鈍化思惑から、
株が買われていますが、

円安が是正されるものの、
資源価格が高止まりしている状態ですと、

次の期は厳しい決算内容になる企業が
多くなる可能性もあります。

半面、最近では国内だけで
サービス展開しているような新興企業や、
グロース銘柄等が勢いを取り戻してきています。

ただ最近の相場では、
このセクターごとの盛り上がりが
入れ替わるペースも非常に早めです。

半導体関連銘柄が
最近は大きく戻してきているものの、

マイクロンの減産方針から先週末にかけて
大きく売られる展開となる等、
入れ替えの時期が早くなってきています。

今年残りの展開としては、
アメリカの感謝祭後、一旦は徐々に
薄商いになっていくことが通例です。

為替市場でも、その辺りから
動きが乏しくなる傾向があるものの、

ただ重要なイベント時には突発的に動く等、
少々トレードのし辛い展開となっていきそうです。

このような時はテクニカル分析で
無理に当てはめてトレードしても、
上手くいかず、損切りさせられるだけとなります。

それよりもファンダメンタルズを重視し、

現在どの通貨が一番買われやすく、
逆にどの通貨が一番売られやすいのか、

これらを考えてトレードすることで、
着実に利益を増やしていくことが可能となっていきます。

以上、何か参考になれば幸いです。

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