勝っているときの慢心こそが、調子を狂わせると心得よ
いつもご覧くださり、ありがとうございます。
「相場の七(?)不思議」について。
今回は4つめをお話ししたいと思います。
安定して勝ち続けるために必要なこと
4つ目は、トレードで勝つことができた時、
あるいは、調子が良い時にこそ考えるべきことを
取り上げてみたいと思います。
私を含めたほとんどの人が、
多かれ少なかれ当てはまるとは思うのですが、
トレードで負けた時というのは、面持ちも神妙になり、
反省や検証等についても真剣に取り組んだりするものです。
ところが、やはり、人間は弱い存在なので、
調子が良い時、順調に勝てている時というのは、
気持ちが大きくなり、物事の扱いも雑になりがち。
急にそうなるというよりも、
少しずつそうなっていくのがクセモノで、
自覚するのが難しく厄介です。
なので、今回取り扱うテーマ
【勝っている時、順調な時ほど気を付けるべき】というのは、
勝負事に手出しをする者としての鉄則だと思います。
須藤は、
皆さまに道徳的な説教を垂れようというわけではなく、
勝っている時、順調な時に何かがズレてしまうというのは、
論理的にどういうことなのかを一緒に考えたいのです。
先ほど、順調に勝てている時というのは、
「気持ちが大きくなったり、物事の扱いが雑になったりしがち」
といった点に触れました。
これは私たちの内面に、
何かが起きているということです。
もう少し深堀りしてみると、人間と対照的な存在と
比べてみるとわかりやすいかもしれません。
それは機械です。
たとえばEAやAIなどにトレードを任せた場合、
いくら勝とうが、それによって何か調子を崩すということはありません。
その理由は、皆さんも簡単におわかりになるはずです。
機械は、単に組み込まれた手順・動作を文字通り
機械的に繰り返すだけだからですね。
【判断基準】にあたる部分が、
人間のような感情などの影響を受けることがないからです。
ところが人間は違います。
あるトレードロジックをもってトレードを実施して
順調に勝ち続けているときは、とても調子が良い。
何となく「適当にやっても勝てるのではないか」
というような錯覚に陥り、
少~し、ルールを緩めてエントリーするようになります。
これが無意識レベルで生じることもありますが、
それでも、初期の段階はその頻度も控えめです。
しかし、段々と悪い意味で大胆になっていくと、
結構な割合でトレードルールを踏み越えてトレードするようになります。
そうすると、当然ですが調子が崩れていきます。
しかし、自分自身では
「何がきっかけでそうなったのか」がよくわかりません。
自分なりに思い当たるところまで、さかのぼって調べてみても、
「まあ、ルール通りやっていないな」ぐらいしか原因がわからないのです。
こういった場合、真の要因を探るには、
【調子の波が下降気味になったきっかけ】に
着目しなければなりません。
大抵の場合、そのきっかけは
【調子が絶頂だった前後の、自分の考え方や捉え方の変化】であり、
具体的に表現すると、
「判断基準という聖域に、不確定要素である“気分”がちょっかいをかけた時」、
これがスランプの入り口になったと言えるでしょう。
そういうわけで、
「勝って兜の緒を締めよ」とか
「調子が良い時ほど慎重になるべき」というのは、
単に道徳的なジンクスというだけでなく、
判断基準を鈍らせない、狂わせないための知恵でもある、
そんな風に須藤は思います。
参考にしていただけましたら幸いです。
今回もお読みくださり、ありがとうございました。