雇用状況の影響がもたらす株価、為替相場の展望

2021年7月2日

kitada20210701

こんにちは、北田です。
いよいよオリンピックの時期になってきましたね。

私自身、学生の時に陸上部だったこともあり、
陸上の選手に注目しています。

とんでもない走りを見せる選手が
毎回出場してくるので、

どの世界でも飛び抜けた才能を持っている人に、
感心しているほどです。

直近の株価について

さて、さっそく相場のお話ですが、
先週の株式市場は大波乱な相場でしたね汗

週明け月曜日の日経平均株価は、
一時1100円を超えるほどの下落を見せましたが、
翌日は800円を超える上昇となった相場でした。

ただその後は、
ほとんど値動きがなくなり、

動き方にある意味、メリハリのある
相場となっていました。

まず、こうした週明けの大きな下落の要因としては、
やはり、前週のFOMCでの早期利上げ観測でしょう。

これにより、
前週のNY市場では大幅に下落しており、

それに引き継ぐ形で、週明け日本市場でも
大幅な下落が見られたと考えられます。

またセクター別に見ても、
特に自動車関連や化学関連の企業が
売られていました。

これは、
アメリカが利上げをすることによって、

2010年代の時のように新興国からアメリカに
資金が移動することが予想され、

そして新興国に多く進出している
企業の株価が売られたからではないかと見ています。

日本の企業の7割は輸出企業であり、
さらに新興国に多く進出している背景もあることで、

日本の企業の業績にも
悪影響を及ぼすのではないかという思惑から
売られたと考えられます。

現に、前週のNYダウは
約1.6%の下落だったのに対して、

日経平均株価はこの日、
約3.3%もの下落になっており、

他のアジア株と比べても
大幅に下落していました。

さらに日銀のETF買いの期待が
薄くなっていた背景もあったかと思われます。

これまでは、
TOPIXが1%を超える下落を見せた日には、
ETF買いが行われていましたが、

これが2%を超える下落を見せないと
ETF買いが行われなくなった背景もあり、

売却した投資家も多かったという
要因もあるようです。

ただ翌日には、
パウエルFRB議長の議会証言でインフレは一時的であり、
先制した利上げは行わないと述べたことで、

米国株は大幅に買われ、そして、
日本株も大きく買い戻されました。

また、市場としては、早期の利上げや
テーパリングの思惑が先行し過ぎた形となりました。

直近の経済について:アメリカ編

この流れで、
アメリカに関して注目していくと、
少し疑問が残ります。

それはパウエルFRB議長の発言と、
FOMCでの声明の温度感に差が生じているように
感じるという点です。

元々パウエルFRB議長はかなり慎重姿勢で、
早期の利上げやテーパリングを否定してきていました。

しかし、
今回のFOMCや議会証言で、
行き過ぎたインフレ懸念や

テーパリングの予備的な議論をしたなど、
自身の考えとは異なった発言も
しているように感じられました。

前回のFOMCでも、
早期の利上げを主張するメンバーが増加しており、

FRB内でパウエル議長には
ついていけないと考えている人が
増えてきているのではないかという印象です。

そうなりますと、
パウエル議長がFRB内で孤立化していき、

今後のパウエル議長の発言とFOMCでの声明で
食い違いが生まれてくる可能性があります。

今回はまさにFOMCでは
早期の利上げが示されたことで、
一旦株価は大きく下落しましたが、

その後の議会証言で、
パウエル議長が慎重姿勢を示したことで、
株価が大きく買い戻される動きとなりました。

このようにパウエル議長の発言と
FOMCの声明での食い違いがあると、

今回のようにしっぺ返しを
食らう恐れが出てきます。

そのため、
今後も8月のジャクソンホール会議に向けて、

パウエル議長や各連銀総裁の
様々な発言などが出てくると思われますが、

パウエル議長の発言イコールFRBの
総意ではないということは頭に入れて、
相場を見ていく必要があると考えています。

そして、直近で
注目されていくのは雇用でしょう。

今週、雇用統計を控えていますが、
より直近の雇用状況を表している

新規失業保険申請件数の減少率が
低下しています。

今週の雇用統計で雇用者数が
プラス50万人から60万人に増加することが
見込まれていますが、

とは言っても依然として、
パンデミックによる失業者が
700万人居ますので、

雇用が完全に戻るまでは、
このペースでは1年以上かかることになります。

株価は確かにパンデミック前の推移に戻したどころか、
史上最高値を更新中のような状態ですが、

やはり雇用は依然として戻しておらず、
パウエル議長も雇用回復の遅さを度々指摘しています。

先週バイデン政権がインフラ案で上院と合意となり、
さらなる株価上昇へと繋がっていきましたが、

やはりこれは増税を伴い、
また共和党との賛同も難しく、

足元の経済回復は順調ではない面も
あるように思われます。

そして7月末に、
法定債務上限の適用停止期限となっており、

アメリカの双子の赤字に対しての
ドル売り動意も考えておく必要はあります。

イエレン財務長官も
8月中にはデフォルトの危機を訴えており、

2011年のオバマ政権の時のように、
米国債格下げによる米国株下落、

ドル売りとなる可能性にも、
注意が必要です。

ということで、直近米国株は上昇、
ドルも買われている相場となっていますが、
やはりドル売り要因もいくつかあり、

この辺りは、
ただ単にトレンドフォロー手法を
過信してトレードしていくのではなく、

しっかりと、
ファンダメンタルズ背景を見ながら、
売買していく必要はあるかと考えています。

直近の経済について:ユーロ編

次にユーロに関してですが、
既にハンガリーが利上げをしたように、

EU圏内では、経済回復してきており、
直近ではユーロが買われた相場となっていました。

ただ、これは一時的だと見ており、
現在ECBはFRBよりもハト派的であり、

さらに先日ラガルド総裁は、
ECBの利下げの余地に関して言及し、
ユーロ売りを誘いました。

このような背景から相対的に見ますと、
ユーロ買いが行われているとは言っても、
ユーロ以上にドルが買われており、

ユーロドルとしては、
ユーロ円に比べると、

さほど大きな上昇はできなかった
チャートになっています。

ユーロが買われはしましたが、
それ以上にドルが買われたことで、

ユーロドルとしては、
大きく上昇することができなかったと、
ユーロ円と比較すると見えてきます。

直近の経済について:ポンド編

次にポンドに関しては、
注目されていたMPCですが、

早期の利上げを否定するなど、
ECB同様、予想外のハト派的な内容でした。

またイギリス国内では、
ワクチン接種率がかなり進んでいたにも関わらず、

デルタ株の流行で、先週は、
1日の新規感染者数が15,000人を超え、

規制緩和の延期などにより、
ポンドは売られる展開となっていました。

イギリスは、今後長期的にはTPPに参加など、
経済面で大きくプラスの要素が大きいですが、

やはり直近では、デルタ株の流行などで、
ポンドの上値は抑えられる動きを
するのではないかと見ています。

直近の経済について:日本編

そして最後に円ですが、
株価の上昇により円売り動意とはなっていますが、

やはり米中対立の激化等で、
急激なリスク回避の円買い動意へは
注意が必要でしょう。

クロス円の通貨ペアは、
特に株価の推移で左右されますので、

東京市場は日経平均株価、
ニューヨークタイムでは、

米国株の推移を見ながら
トレードしていくと良いでしょう。

以上、各通貨の状況と
今後の展望についてお話いたしました。

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