資金効率を上げるリスクリワードの重要性

2021年7月1日2021年7月26日

今回は、「リスクリワード」について解説していきます。

このリスクリワードという要素を正しく理解しておくと、FXで効率的に利益を上げるために役立ちます。逆に、ここをまったく理解していないと、「かなり勝てているのに、資金が減っていく……」なんてことになりかねません。

あなたの資金は一時的ではなく、トータルで順調に増えているのか、重要な観点を分かりやすく解説していくので、ぜひ最後までご覧くださいね。

勝率とセットで考えたい「リスクリワード」の重要性とは

多くのトレーダーは、その手法の“勝率”に注目することが多いです。ちなみにFXの勝率は「勝ちトレードの数 ÷ 総トレード数」で求めることができます。その場合、10回トレードして5回勝てば勝率50％、10回トレードして8回勝てば勝率80％となりますね。

しかし、「勝率が高ければFXで稼げる！」と考えてしまうケースは危険なんです。

仮に、もし勝率99％でトレードできれば、100回トレードして1回しか負けないので、面白いように稼げると思いますよね。ただたとえ勝率が高くてもリスクリワードの数値によっては、資金を思うように増やせない可能性が高いんです。

それではリスクリワードについて説明していきましょう。

リスクリワードとは「損失と利益の比率」のことです。

例えば、負けると1万円の損失になり、勝てば3万円の利益になるトレードは、リスクリワード「1：3」になります。

同じように、負けると2万円の損失になり、勝てば1万円の利益になるトレードのリスクリワードは「2：1」となります。

さて、それでは具体的に、リスクリワードはどのように重要なのでしょうか。
続いては、勝率とセットで考えてみましょう。

まずは、勝率90％でリスクリワードが10：1のトレードを行うケースを考えてみましょう。こちらは勝率が高く、リスクリワードは良くないパターンですね。

トレードの条件は以下の通りです。

この場合、10回トレードして9回は勝って利益獲得、つまり9万円が手元に入ってくることになります。ただ、10回のうち1回だけ負けてしまい、その損失額は10万円です。

なんと、勝率90％というほとんど勝つトレードをしていても、リスクリワードが良くないと結果的にマイナスになってしまうわけです……！

これが「コツコツドカン」と言われる、利益を少しずつ積み重ねても、一度の損切りで多くの資金を失ってしまうトレードパターンなんですね。

数字だけ見てみると「こんな極端なトレードしないでしょ」と思うかもしれません。

しかし一方で、日頃のトレードで「勝率が高いんだから、少し損切りを深くしておけば自ずと相場がまた逆行して、結果的に勝てるんじゃないか」なんて考えて、気づいたら損益比のバランスが悪くなっているケースは案外珍しくありません。

さて、それでは逆のパターンだったらどうでしょうか？

勝率30％でリスクリワードが1：3のトレードを行うケースを考えてみましょう。先ほどの例とは逆に、勝率が低く、リスクリワードは良いパターンですね。

トレードの条件は以下の通りです。

このケースでは、10回トレードして勝ちの回数は3回、一度の勝ちで3万円の利益なので9万円が手元に入ってきます。そして10回のうち7回は負けてしまいますが、一度の負けで1万円のマイナスなので、損失は7万円です。