予測しにくい相場との向き合い方と取捨選択の必要性

2021年7月2日

kitada202106017

こんにちは、北田です。

梅雨の時期ではあるものの、
ここ最近は非常に暑い日が続いていますね。
熱中症には十分お気をつけてお過ごしくださいませ。

さて、相場に関してですが、ここ最近は
アメリカの消費者物価指数や
ECB理事会、またFOMC等を控えて、

株式市場、為替市場、ともに
方向感の無いような相場が続いていました。

アメリカやEU圏、またイギリスなどで、
経済回復の一服感、

また、テーパリングの時期の思惑等から、
思い切って売買できる状況ではなかった印象があります。

ただ相場というのは、
方向感の無いような相場が続いた後は、

必ずといっていいほど
大きく変動するような相場が
何かのきっかけで起きてきますので、
その時のために備えておく必要も同時にあります。

そのためには、
やはり日々ファンダメンタルズを追いかけ、

現在、世界で何が起きているのか、
世界中の投資家が何を考えているのか、

そして市場参加者の心理が現在どうなっているのか、
常に見ておく必要があります。

その上で、
今回も各国の経済状況等を見ていきます。

直近の経済について:ドル編

まずアメリカからですが、
先週発表された5月消費者物価指数は、

前年比で+5.0%と予想を上回り、
ドル買い、10年債利回りの上昇となりました。

ただFRBとしては、この結果を受けても
インフレは一時的との見方が多く、

今回のFOMCで、
テーパリングは時期尚早との考えを
変えることは無さそうです。

また、今後のドル円の行方で見ても、
一時的に10年債利回りが上昇し
ドル円の上昇へと繋がったとしても、

アメリカがゼロ金利政策を維持する以上
さらなるドル買い円売りは難しいと考えており、
持続的にドル円が上昇することは考えにくいと見ています。

まずは今週のFOMCには注目ですね!

直近の経済について:ユーロ編

次にユーロに関してですが、
先週ECB理事会が開催され、

経済成長やインフレ率の予想引き上げとなり、
一旦はユーロ買いとなりましたが、

その後、ラガルド総裁が
量的緩和縮小の議論は時期尚早との発言をしたことで、
ユーロ売りとなりました。

また、先週末もポジション調整売りが出たことで、
ユーロ円、ユーロドルともに下落して週を終えましたが、

今後の展望しては、
やはり経済成長見通しが上方修正されていることからも、
これ以上のユーロ売りは考えにくいのではないかと見ています。

また長期的に見た場合でも、先日
ロシアの政府系ファンドが
ドルからユーロに変える計画を発表しており、

今後はドルの需要が減り、
ユーロの需要が高まっていくでしょう。

直近の経済について:ポンド編

次にポンドに関しては、
来週MPCを控えており、
それが意識されて売買されていくでしょう。

また、消費者物価指数も控えており、
良好な数字が出れば一時的なポンド買いも
見られるでしょうが、

現在、EUとの間で北アイルランドに関して揉めており、
それによりポンド買いを抑えることになりそうです。

また、現在イギリスでは、
新規感染者数が増え始めてきており、
行動規制の緩和が遅れることで、

経済回復が遅れる可能性もあり、
ポンド買いを抑制する要因になりそうです。

直近の経済について:日本編

最後に日本ですが、
18日に日銀金融政策決定会合が控えており、
そこでは金融政策の現状維持となるでしょうが、

資金繰り支援特別プログラムの延長についての
議論もされる予定で、

内容によっては、これが株式市場、
そして為替市場にも影響を与える可能性があります。

また、6月20日に多くの地域で緊急事態宣言が
解除される可能性があり、
これが株式市場にどう影響を与えるかが注目されます。

7月を目前に控え、
いよいよオリンピックの時期になりますが、

観客をどうするのか、
日本経済がどう恩恵を受けるのか、
そして感染者の推移はどうなるのか、

この辺りが相場にも影響を与えてきそうです。

少し長い目で見ると、
9月頃に衆議院選挙となる見込みで、

菅政権の今後の支持率等も
株式市場、為替市場に影響を与えていきそうです。

ということで、
各国の現状をお話してきましたが、

現在はワクチン接種率の高いアメリカやイギリスでも
新規感染者数が増え始めてきており、

このような中で、
今後どうなっていくかは
全くの不透明な状態になっています。

ただ相場で利益を上げるには、
難しい場面ではトレードを控え、

自分の得意な場面だけを取捨選択し、
しっかりと利益を狙っていくことが
非常に重要だと考えています。

以上、何か参考になれば幸いです。

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