自分の性格や生活リズムに合う「トレードスタイル」
今回は、FXにおけるトレードスタイルの特徴をいくつかご紹介していきましょう。
相場は24時間トレードが可能なので、どのような頻度で向き合うべきか悩む場面が出てくるかと思います。
例えば、朝の時間帯のほうがトレードする余裕があったり、仕事の休憩時間を活用して効率的に利益を狙いたかったり、反対に週に何回かチャートを見る程度に抑えてプライベートに支障が出ないようにしたかったり・・・
トレードに都合の良い時間帯や取り組み方は、その人を取り巻く環境によって違ってくるものです。そこで難しいのが、自分は一体どのようなトレードスタイルだと一番勝ちやすいのか、という判断。
ぜひ今回の記事で、自分の性格や生活リズムにピッタリな稼ぎ方を身につけましょう!
3つのトレードスタイル
FXの主なトレードスタイルは、エントリーから決済までにかかる時間の長さを基準に、以下の3つに分類されます。
・スキャルピング
・デイトレード
・スイングトレード
さっそく、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。自分の生活習慣や性格を振り返り、どのトレードスタイルがあっているか検討しながら読み進めてくださいね。
スキャルピング
スキャルピングとは、数分から数十分、早いときには数秒単位でポジションを決済するトレードスタイルで、1日に複数回の取引を行っていきます。
ちなみに「スキャルピング」の語源は、頭(スカル)の皮を剥ぐというネイティブアメリカンの行為からきているらしく、想像するとなんだか怖い名前ですよね。
語源はともかく、その言葉の意味通りスキャルピングは、短期間で薄い利益を積み重ねていく手法を表現しています。3つのトレードスタイルの中で見ても、一番取引時間が短い手法となっていますね。
具体的なメリット・デメリットは以下のとおりです。ひとつずつ見ていきましょう。
メリット | デメリット |
スキマ時間に利益を狙える 為替暴落などのリスクを減らせる 取引チャンスがたくさんある |
細かい作業なので疲労しやすい 一度の獲得金額が少ない FX口座を凍結される可能性がある |
メリットその1:スキマ時間に利益を狙える
1回のトレードが、基本的には数分から数十分で完結するので、効率的に時間を使うことができます。
また、自分の生活スタイルにあわせてスキマ時間にパパッと取引可能なので、例えば仕事帰りの電車の中でエントリーから決済を行い、利益を出すことも十分できるでしょう。
メリットその2:為替暴落や急なトレンド発生時のリスクを減らせる
ポジションの保有時間が短いことから、為替の急騰や暴落の影響を受けづらくなっており、損切りの面でもリスクを軽減しながら取り組むことができます。
また、エントリーしたら決済する瞬間までチャートの変化を観察していることも多く、目を離した隙に大変なことになっていた……なんて失敗もしづらいといえます。
メリットその3:取引チャンスがたくさんある
もしも、トレードの機会が1ヶ月に1度だとしたら、そのチャンスを逃してしまった場合、翌月までFXで稼げないことになりますよね。
しかしスキャルピングは、他のトレードスタイルに比べてもチャンスが頻繁に訪れます。
そのため、少し前に発生したチャンスを見て後悔したり、無理やりトレードしたりせずに、落ち着いて次のチャンスを待つことができるんです。
デメリットその1:細かい作業なので疲労しやすい
続いてスキャルピングのデメリット。まずひとつが、短期間の相場の変動に対応していく必要があるので、1度のトレードに集中してエントリーから決済を行う必要があります。
1日に何度もスキャルピングでのトレード作業を行う場合、負担に感じる人もいるかもしれません。
デメリットその2:一度の獲得金額が少ない
少ないリスクで取引できる反面、短時間のうちに発生する値動きも限られてくるのでリターンも少額になりがちです。
なので目標にする金額の大きさによっては、トレードの回数や手間が増える可能性もあります。
デメリットその3:FX口座を凍結される可能性がある
証券会社によってはスキャルピングを禁止している会社があります。そのことを知らずに短期間の取引を繰り返し行うと、口座が凍結されてしまう場合があるんです。
このような場合以外にも、数秒単位のスキャルピングで毎月大きな利益を生み出していると、サーバーへの負担が大きすぎる等の理由で口座が凍結される恐れがあるようですので、十分注意が必要ですね。
デイトレード
続いてデイトレードの説明をしていきます。
デイトレードは数十分から数時間、最長でも1日単位でエントリーから決済までを完結させるトレードスタイルで、スキャルピングよりも比較的長くポジションの保有を行います。
省略して「デイトレ」や、日本語で「日計り(ひばかり)」ということもありますので覚えておくと良いでしょう。
デイトレードは、その日のうちに取引を完了させるので、次の日にポジションを持ち越すことは基本的にありません。こちらもメリット、デメリットの順番に見ていきましょう。
メリット | デメリット |
余裕を持って分析・注文できる 期間の区切りで損切りしやすい ポジションを次の日に持ち越さずに済む |
FXにあてる時間がかかる チャンス数によっては焦ってしまう 損切りした後で相場が伸びる可能性 |
メリットその1:時間に余裕を持って分析・注文できる
デイトレードの取引回数は、基本的に1日に数回程度、分析に時間をかけることもできるので、焦らずエントリーポイントを定めることができます。
また長時間チャートに張り付く必要はなく、しっかり戦略を立ててエントリーしたあとは自分が見れるタイミングで相場の動向を確認すればいいので、日常の生活への負担が少なく済みます。
メリットその2:期間の区切りを決めることで損切りしやすい
基本的には1日単位の取引と決まっているので、時間に区切りをつけて利確と損切りを設定することができます。
一時の感情に任せて利益を深追いするのではなく、このように計画的に見通しを立てておくことが、想定外の損切りを防いでくれます。
メリットその3:ポジションを次の日に持ち越さずに済む
ポジションを保有したまま寝てしまい、起きたら予想外の価格変動が起きて慌てる、という心配がないので、安心して取引できます。
前日の失敗を切り替えてトレードに望むというマインドセットにもつながるでしょう。
デメリットその1:FXにあてる時間がかかる
1回のトレードが完結する時間は、スキャルピングとスイングトレードの中間にあたるデイトレード。しかしFXにあてる時間そのものも、中間かといわれると、実はそうではないんです。
スキャルピングは早いと数分でトレードを終えることもあるため「今日はもうトレードしない」と決めてしまえば、FXにかけるのは1日数分だけ。
後ほど解説しますが、一方のスイングトレードは数日かけてトレードするため、一度エントリーした後は1日に何度もチャートをチェックしなくても問題ありません。
その点デイトレードは基本的に1日で完結させるため、エントリーと決済のタイミングをこまめにチェックする必要があります。できる限りトレードにかける時間を削減したいと思っている場合は、気にかける時間がかかってしまい手間に感じてしまうかもしれません。
デメリットその2:チャンス数によっては焦ってしまう
本来、FXはチャンスがきたタイミングでトレードするもの。場合によっては数日間、チャンスに恵まれないこともあるでしょう。
そんな時、特に初心者のうちは「毎日トレードしないと利益が増えないのではないか」と考えてしまうことがあります。スキャルピングほどチャンス数が多いわけでなく、スイングトレードほどトレードにゆとりがあるわけでないため、ふと焦る気持ちが募ることがあるんですね。
その意味で、デイトレードを行う際はメンタルコントロールも重要だといえるでしょう。
デメリットその3:損切りした後で相場が伸びる可能性
デイトレードは1日の中で取引を終了させるため、損失が出ている場合でも決済(損切り)することになります。ただ、長期的に見たら予測通りに動いていた、なんてことも珍しくないのがFXです。
とはいえ、日本時間の夜中は相場が急変動する可能性もあり、安易にデイトレードの形式を崩すべきではありません。そのためデイトレードを行うのであれば、基本的に1日で完結させることを忘れないようにしましょう。
スイングトレード
3つ目のスイングトレードはその名の通り、値動きの「スイング(大きく捉えた揺れ動き)」を狙い、ある程度大きな値幅を狙ったトレード方法。必然的にポジションの保有時間も長くなります。
基本的には、数日から数ヶ月にわたりポジションを持ち続けることが多いです。
振り幅が激しい通貨ペアや、ドル円やユーロ円など相場の支柱となっている通貨ペアとの相性が良いといわれています。スイングトレードのメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット | デメリット |
慎重にチャンスを待つことができる 多少エントリーがずれても利益を狙える スワップポイントの利益も狙える |
取引チャンスが少ない 急激な相場の変化に対応しづらい 1回のトレードのリスクが大きい |
メリットその1:慎重にチャンスを待つことができる
ポジションの保有期間が比較的長いので、じっくりと戦略を立てた上でエントリーすることができます。
また、目先の価格変動に一喜一憂せずに済むので、落ち着いた取引が可能になり、冷静に相場を判断できる状態を作り出すことができます。
メリットその2:多少エントリーがずれても利益を挙げられる
コツコツと利益を重ねていくスキャルピングやデイトレードでは、エントリーポイントがずれるのは致命的です。
ところが、スイングトレードは、もともと大きな値幅を想定しているので、多少エントリーが遅れても利益を狙うことができます。チャートに張り付く必要がないので、忙しい方やゆっくりFXをしたい人に好まれる傾向があります。
メリットその3:スワップポイントの利益を狙える
スワップとは「2つの通貨の金利差」のことをいいます。
FXでは、金利が低い通貨を売り、金利が高い通貨を買ってポジションを持ち続けると、スワップポイントという利益を受け取れます。長期ポジションを持つことの多いスイングトレードならではの方法ですね。
デメリットその1:取引チャンスが少ない
長期保有にメリットがある反面、デメリットも存在します。
短期売買とは異なり、トレード回数は少なめで結果が出るまでにある程度時間がかかるケースが大半です。すぐにでも利益を出したい方は、焦ってエントリーしてしてしまい、結局損失になるということも考えられますので注意が必要です。
デメリットその2:急激な相場の変化に対応しづらい
FXでは、経済指標の発表や要人発言、災害などのニュースの影響を受けて、急激に相場が変動することがあります。
チャートをよく確認するトレード方法なら状況をいち早く察知し対応しやすいですが、確認する頻度が少ないスイングトレードで相場の動向を気にしていなさすぎると、大きな価格変動に上手く対応できず、気づいたら損に繋がってしまう可能性もあります。
デメリットその3:1回のトレードのリスクが大きい
大きな値幅を狙うので、大きな利益を獲得できるトレードスタイルではありますが、同時にリスクも大きくなってきます。
リスク管理が徹底できれば良いですが、感情的なトレードに身を任せがちな方は、致命的な損失になる可能性も考えられますので、自分のタイプをしっかりと確認しましょう。
まとめ
トレードスタイルは十人十色、人それぞれ合うスタイルがあるものです。
いくら時間があっても、自分の性格に合わないトレードスタイルを選ぶと、感情的なトレードになってしまい利益を伸ばすことは難しいもの。また、FXに向き合うタイミングが決まらなければ、優れたロジックを使ったとしても扱いきれず、効果は発揮されにくいでしょう。
だからこそ、自分の性格や特徴を分析し、自分に合ったトレードスタイルを確立することが、最も安定した状態で利益を狙い続けるために重要なのです。
今回の記事を参考に、まずは自分の生活を見直しながら、相場と向き合うベストなタイミングを定めていきましょうね。