ピプス(pips)とロット(Lot)の意味と計算方法

2021年7月22日

今回は、FXで使われるピプス(pips)とロット(Lot)の意味と計算方法を解説していきます。

これらを正しく理解できるようになると、実際のトレードでどれくらい利益を出せるかが分かるようになります。

順番にわかりやすく説明していきますので、ぜひ最後までご覧くださいね!

ピプス(pips)とは

まずはpipsについて解説しましょう。

pipsとは、通貨の価格がどれくらい動いたのかを表す、FX特有の単位です。
pipの複数形なのでpipsになります。

FX初心者の方からすると、私たち日本人が日常的に使っている「円」という単位を使ったほうが分かりやすいのに……と思うかもしれませんね。

しかし、FXは世界中で様々な通貨の交換が行われます。

円をドルに変えるくらいであれば想像しやすいかもしれませんが、ドルをポンドに変えて、ポンドをユーロに変えて……など、円以外の通貨が絡んでくると「結局自分はいくら稼いだんだっけ?」と混乱してしまうんですね。

そこで、世界共通の単位として、FXでは「pips」が使われているわけです。

FXでは「〇〇pips獲得した!」「〇〇pipsも負けてしまった……」など、pipsで表現することが非常に多いので、次に解説する計算方法は必ず知っておいてくださいね!

pipsの計算方法

pipsは、対円の通貨ペア(ドル円やユーロ円など)なのか、円を含まない通貨ペアなのかによって計算方法が変わります。

1pipは、円なら0.01円(1銭)の値動き、ドルなら0.0001ドルの値動きを表します。

ここは少しややこしいので、まずは対円の通貨ペアの場合から、例を挙げて解説しますね!

例えば、「1ドル=110.50円」のときに買いエントリーをして、そのあと相場が「1ドル=110.75円」まで動いたとしましょう。

1ドル=110.50円 → 110.75円

1pipは0.01円の値動きでしたよね。
そのため、このケースでは0.25円=25pips動いたことになります!

0.25円の変動 つまり 25pipsの変動

ちなみに、買いエントリーをして実際に0.25円上昇している場合、25pips分の利益獲得となります。

さて続いて、ユーロドルやポンドドルなどの、円を含まない通貨ペアの計算方法を考えていきましょう。

例えば、「1ユーロ=1.3030ドル」のときに売りエントリーをして、そのあと相場が「1ユーロ=1.3050ドル」まで動いたとしましょう。

1ユーロ=1.3030ドル → 1.3050ドル

ドルは1pipで0.0001ドルの値動きでした。
よって、この場合は0.0020ドル=20pips動いたことになります!

0.0020ドルの変動 つまり 20pipsの変動

売りエントリーをして、実際には0.0020ドル上昇しているので、このケースでは20pipsの損失を出してしまったわけです。

さて、以上がpipsの計算方法ですが、やたらと数字が多くてどこを見たらいいのか分かりにくいと感じたかもしれませんね……。

そこで、ぜひ覚えておきたい「便利で簡単なpipsの見方」があるので紹介しておきましょう!

それがこちら。

これで対円の通貨ペアと、円を含まない通貨ペアで、それぞれ注目すべき数字がわかりやすくなりましたね。
このポイントはしっかり覚えておきましょう!

ロット(Lot)とは

続いて、ロット(Lot)についてです。

FXで「0.25円の利益」と言われると、全然稼げないと思うかもしれません。
しかし、ここであなたが効率的に稼ぐ秘訣「ロット」が役立ちます。

ロットとは、トレードする通貨の量のこと。
「通貨の量」とだけ言われても、イメージしにくいかもしれません。

例えば缶ビールは、1本ずつでも購入できますが、ダンボールにくるめて6本セットで売っていますよね。この「ある程度まとまっている状態」がロットという感じです。

証券会社によって違うこともありますが、1ロット=10万通貨として括られることが多いですね。

つまり、10万通貨という1セットを「1ロット」と呼んでいます。

もっとセット数を増やす場合には2ロット、5ロット、10ロット……と増やしていき、逆にバラけさせて少ない量の取引をしたかったら0.1ロット、0.01ロット……と数値を下げていきます。

ここで「1ロット=10万通貨だから、10pips獲得したときに……」と考え始めたら、余計にややこしくて分かりにくいですよね。そこで、基準となる通貨の変動とロットの関係を、下記にまとめてみました。

0.1ロット、つまり1万通貨でトレードした場合は下記のように損益が発生するのです。

  • 1pipの変動で100円
  • 10pipsの変動で1,000円
  • 100pipsの変動で10,000円

そして、1.0ロット(10万通貨)に上げた場合は、損益も下記のように上がります。

  • 1pipの変動で1,000円
  • 10pipsの変動で10,000円
  • 100pipsの変動で100,000円

FXはロットを調節することで損益をコントロールできるので、狙いたい利益や許容できる損失を自分の資金量と照らし合わせながら、適切なロット数を設定しましょう。

ロスカットに注意

ここまで解説してきた、pipsとロットについて理解しておけば、一回のトレードでどれくらい稼げるかが分かりますが、pipsとロットと一緒に覚えておきたいことがもう一つあります。

それが「ロスカット」です。

ロスカットとは、証券会社の取引ルールに基づいて強制的に執行される決済のこと。

「強制的に執行」なんて書くと、恐ろしいことのように感じるかもしれませんが、実際のところロスカットは、トレーダーを守るための仕組みなんです。

証券会社は、顧客が預けている資金以上の損失を出すのを防ぐために、ロスカットを採用しています。

例えば、買いでエントリーして相場から目を離した際に、かなりのペースで下落したとしましょう。
そして一定のラインまで損失が膨らんでしまったら、これ以上の損を出さないために発生するのがロスカットです。

いわば、証券会社がトレーダーのために用意してくれたセーフティネットなんです。

ただ、自分でしっかり資金管理をして、ロスカットにかからないのがベスト。
あくまでも最後の手段として用意された仕組みだと認識しておきましょう。

まとめ

今回は、「pips」と「ロット」の意味と計算方法について解説してきました。

記事の中でお伝えしたことを頭に入れておけば、実際のトレードでも間違いなく役に立つので、ぜひ繰り返し内容をチェックしてくださいね。

また、FX初心者でトレードに慣れていない方は、ロットを上げすぎないのがオススメです。
先ほども触れたのですが、ロットの調節によって上がるのは利益だけでなく、リスクも同じく上がってしまうから。

0.1ロット、0.01ロットあたりに調節して、リスクを抑えながらトレードに慣れるのを優先してみてください。

そして、コンスタントに利益を上げられるようになったら、ロットを上げて一回のトレードで大きな金額を狙うといいでしょう!