米国銀行“SVB”が経営破綻！米欧の利上げ予想が一転、不透明に
こんにちは、北田です。
先週は、黒田日銀総裁の最後の決定会合が行われ、
予想通りではありますが、金融緩和継続となりました。
そして次期総裁として、植田氏が正式に決定しました。
植田氏は、所信聴取等でも金融緩和継続を訴えており、
当面は、今の政策から大きく変えることは無いでしょう。
一方アメリカでは、パウエル議長の議会証言で、
タカ派の内容が出たものの、
雇用統計で、失業率の増加、賃金の上昇が見られたことで、
次回のFOMCの利上げ幅縮小に繋がり、ドル売りとなりました。
またSVB（米シリコンバレーバンク）が経営破綻したことで、
他の銀行株等も売られ、これもドルの重しとなりました。
日本株、米国株ともに週末は大きく下落して終えましたので、
アメリカのCPI、PPI、そしてFOMCを控える中、
今週はどのような展開になるか注目です。
特にSVBの経営破綻が、どこまで波及していくのかが
今週のポイントになってくるでしょう。
先週は日本の銀行株も売られていたので、
これが他の株式等の重しにも繋がっていくのか、
ないしは、今回のSVBの破綻を受けて、FRBがタカ派色を弱め、
逆に株式市場にとっては、プラス材料になっていくのかに注目です。
現在はFRBはブラックアウト期間に入っており、
重要な発言が出てこない状態ですが、
来週のFOMCで、予定通り利上げをしていくのか、
ないしは相次ぐ銀行の破綻等により、利上げを停止していくのかが、
為替市場、株式市場ともに焦点となっていきます。
またクレディ・スイスに関しても、重大な欠陥があるとして、
大幅に下落しています。
これが欧州株の下落にも繋がっているのか、
SVB以外の金融機関にも注目していく必要があります。
各通貨の動向
そしてその欧州のユーロに関しては、
16日にECB理事会が控えており、0.5%の利上げが予想されていますが、
SVBの破綻を受け、利上げが行われるかどうかも不透明です。
ポンドに関しては、政策金利発表を来週に控えており、
これを睨んだ展開となるでしょう。
経済自体は堅調で、これを下支えとして、
ポンドは底堅い動きとなるでしょう。
豪ドルに関しては、
先日の理事会で0.25%の利上げが行われましたが、
インフレはピークに達したという見解がなされ、
さらなる買いは難しい状況だと考えています。
まずは16日の雇用統計に注目です。
NZドルはコアインフレが高い数字が出たことで、
積極的な利上げ観測は継続しています。
ただ中銀は、景気後退入りを予想しており、
また中国の景気回復の遅れ等から、
NZドルを積極的に買っていくことも難しいと考えています。
カナダドルは、先日の金融政策決定会合で、
据え置きを決め、フォワードガイダンス通り、
利上げ停止となりました。
また中国の景気回復の遅れ、
さらにアメリカのSCB破綻を受けた動き等を考えると、
カナダドルは売られやすい相場となるでしょう。
ということで、各通貨見てきましたが、
正直SVBの問題がどこまで波及していくのかが不透明な状態です。
また来週のFOMCで、パウエル議長が利上げを続けるのか、
ないしは停止をするのかも全くの不透明な状態です。
かつてのFRB議長だったボルカー氏のように、
経済をぶっ壊してでも、インフレを退治させる為に、
今回も積極的な姿勢を示していくのか、
ないしは、さすがにこういったことがあった以上、
利上げペースを弱めるのかは、未知数です。
ただアーサー・バーンズのように、
手ぬるいインフレ対策をしたことで、
歴史に残る汚名を残したくないというのも事実でしょうし、
この辺り、次回のFOMCまで待つ他無いといったところです。
個人的には、現在は次回のFOMCまでは
一旦はポジションは持たないようにしています。
次回のFOMCでタカ派となるか、それともハト派となるかで、
為替市場も、株式市場も大きく相場が変わることになり、
また現段階では予想もできないからです。
市場予想では、既に年内に連続での利下げの予想も出ていますが、
これまでも市場の予想とFRBの政策の乖離は何度も見られてきました。
市場が誤った予想をしている可能性もあり、
次回のFOMCを待つ他無いと考えています。
こういった時に無理にポジションを持っても、あまり良いことはなく、
方向性が分かった上でポジションメイクをした方が、
結果上手くいくことが多いです。
ということで、今後もSVBの影響がどこまで波及していくのか、
そしてそれに対してFRBはどのように政策変更していくのか、
引き続き注視していく必要があります。
以上、何か参考になれば幸いです。
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