今話題の「FIRE」と、ドル円の意外な関係性について

こんにちは、北田です。

日本はお盆休みでしたね。

3年ぶりの行動制限の無い
お盆となりましたが、

日本のニュースを見ていると、
台風等で、各地で甚大な被害が出ているようで、

お盆休みどころでは無かった方も
多かったのではないでしょうか。

年々、自然災害が酷くなってきており、
これらのニュースを見る度に、  

やはり温暖化現象の影響なのかと
考えてしまいます。

一方、欧州では熱波の影響で、
ドイツのライン川の水位が低下し、

石炭等の運搬が困難になっている
というようなことも発生しており、

日本だけではなく、
世界各国で自然災害の影響を
受けているようですね。

またエネルギー問題も深刻化し、

日本でも節電要請等が
出されているかと思いますが、

韓国では、LNG不足で、

※LNG(液化天然ガス)・・・天然ガスを低温で加熱して液化させたもの

冬を乗り越えられないんじゃないか
というような状況にもなっており、

またイギリスでは、
計画停電まで検討されているようで、

これから冬に向けて
エネルギー不足が
一層厳しさを増していきそうです。

FIRE続出で深刻な人手不足

さて相場の方ですが、

先週は米CPIの発表を受けて、
米国株上昇、国債利回りの低下、
そしてドル円は下落した相場に。
 
前々週の雇用統計では、
かなり強い数字が出たことで、

利上げペース加速等の思惑から
大きくドル円は上昇しましたが、

ドル円としては、CPIによって
それを打ち消すような相場となりました。

一旦ここまでで、
雇用統計が強い数字、

CPIでインフレ率が
低下したという思惑から、

市場では利上げペースや
幅の鈍化が見込まれているというのが、
基本ベースになっているようです。

ただシカゴ連銀のエバンス総裁や
ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁も
述べていたように、

まだまだインフレ抑制できたと
決めつけるのは時期尚早で、

今後も利上げペースは
変わらない可能性が高いでしょう。

雇用統計やCPIの数字を
細かく見ていきますと、

まず雇用統計では、
非農業部門雇用者数は大幅に増え、
失業率も低下しているわけですが、

労働参加率に関しては
前月比で低下しています。

これは生産年齢人口の中で、
働けるけど働いていない人の割合が
増えていることになり、

なんらかの理由で就業していない、
さらには職探しもしていない状態の人が
増えていることになります。

理由に関しては、
失業率が過去最低なのにも関わらず、

労働参加率はコロナ禍以降
戻ってきていないことを考えると、

失業保険を使って株に投資をし、
FIREをしてしまって、
働く必要が無くなった人、

あるいは家族にコロナ患者等が居て、
介護を余儀なくされて
働けない人が増えた等が考えられます。

そうなると、企業としては、
人手不足が加速していることになり、

今後も賃金を上げざるを得ないことが
考えられます。

そしてそのしわ寄せが
やはり商品やサービス価格に
転嫁されることになります。

先週のCPIの数字が減った主な要因は、
原油価格の下落によるもので、

逆に賃金の上昇が続けば、
インフレはそれほど抑えられない
ということになるでしょう。

さらに、住宅価格も
歴史的に高い水準になっており、

住宅購入を
途中でキャンセルした人が続出し、

またニューヨークのマンハッタンでは、
賃貸価格が過去最高水準にもなっている等、

不動産価格の上昇は
高止まりしたままです。

またロシア、ウクライナ問題で、
食料品価格も今回上昇しており、

また原油価格が
再度上昇する可能性も否定できず、

先週のCPIの数字だけ見て、
インフレがピークアウトしたと捉えるのは
時期尚早だと考えています。

その上で為替市場を
見ていきたいと思います。

米ドルについて

まずはドルからですが、

前述の通り、

雇用統計の結果を受けて
さらなる利上げペースや
幅の拡大ということで、

ドル買い動意となりましたが、
CPIの結果を受けて、

インフレもピークアウト説が浮上し、
ドルが売られるという相場になりました。

またPPIに関しても
前月比-0.5%と、予想外に低下し、

9月の利上げ幅予想が、
0.75から0.5になる確率が高まりました。

ただ9月までのFOMCで、
あと1回の雇用統計や
CPIが控えていますので、

パウエル議長の言う通り、
利上げ幅は、これらの
データ次第になっていきますので、

引き続き、
これらの指標発表等に注意しながら

ドルは売買していく必要があるでしょう。

ユーロについて

次にユーロに関してですが、

欧州では、
エネルギー政策が
死活問題となっており、

これにより欧州経済全体が
悪化していくことが予想されています。

ドイツは現在脱原発の中、
ロシアからの天然ガス輸入を
石炭に代替しようと動きがある中で、

前述の通り、熱波で
ライン川の水位が低下したことで、

通常の5分の1程度の石炭しか
運送することができず、

輸送コストの増加や、
石炭の運搬自体が困難になってきています。

これらのことで、
欧州経済全体の悪化から、

少なくともユーロを買っていくことは
当面難しいでしょう。

ポンドについて

次にポンドに関してですが、

イギリスでも計画停電を
検討せざるを得ない程、
エネルギーの供給が不足しており、

これらの影響で、
景気後退入りも懸念視され、

一部では利下げの話も
出てくるようになりました。

このことで、ポンドに関しても
少なくとも買っていくことは
難しい状況が続くと見ています。

オセアニア通貨について

次にオセアニア通貨ですが、

豪ドルでは、16日の
豪準備銀行理事会議事要旨次第ですが、

今後の利上げペース鈍化等の話が
出てくる可能性もあり、
売られる可能性もあります。

NZドルに関しては17日に
政策金利発表を控えており、
7会合連続の利上げが予想されています。

さらに今後の利上げ計画で、
仮に上方修正があった場合は、
NZ買いとなり、

逆に現状維持となれば、
利益確定売りとなる可能性が高いでしょう。

円について

最後に円ですが、

台湾有事の可能性が
低下したこと等で、一旦は、

リスク回避の円買い動意は
低下したと考えられます。

ただ秋に向けて
中国の党大会が控えている為、

何か中国の動きがあれば、
再度円が買われる可能性もあり、
注意が必要です。

また先日発表があった
ソフトバンクグループの
アリババ株売却で、

大型の売却により、
円転の動きもある為、

これらによる円買い動意も
今後出てくる可能性もある為、

大きな視点で見ると、
ドル円はしばらくは
レンジになることが予想されます。

ということで
各通貨見てきましたが、

お盆前は日経平均は
大きく上昇しましたが、

9月からアメリカで
QTの規模が倍増されます。

これがまた
市場を冷やす可能性もある為、

冷静に見ていく必要も
出てくるでしょう。

以上、何か参考になれば幸いです。

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