知らないままだと超危険!?年末年始の相場の落とし穴
12月も後半となり、間もなく2020年も終わろうとしています。
そろそろ仕事納めだという方もいらっしゃるかもしれませんね。
まとまった休みができると、トレードに専念しようと考える方も少なくありませんが、しかし年末年始に関しては要注意です。
年末年始の相場は、基本的に動きの少ない相場が続く特徴があります。
しかし一方で、通常では考えられないような大きな価格変動が起きることもあるんです。
去年、2019年の1月に起きた「フラッシュクラッシュ」も、まだ記憶に新しいでしょう。
突然、短時間で相場が大きく動く「フラッシュクラッシュ」はあの日、下記のチャート画像のとおり、1日のうちに約4円という大幅な値動きを見せました。
この急変動に耐えかねて、大きな損失を出してしまったというトレーダーも数知れず……。
もしかしたら、苦い思い出が呼び起された方もいらっしゃるかもしれませんね。
このように年末年始のFX相場では、 “ 突発的な大きな値動き ” というものが起きる可能性があります。
そもそも年末年始の相場は、閑散としているにも関わらず、なぜ、このような大きな価格変動が起きたりするのでしょうか。
そして、不安定な年末年始の相場の動きに対して、トレーダーはどう対処していくべきでしょうか。
本日の記事では、まさにこれから年末年始の相場を迎えようとしているいま、必要な情報をお届けしていきます!
年末年始の相場はいつもと何が違うのか?
年末年始の相場は、通常の相場と比較して大きく異なる点が2つあります。
まずは、そちらを順番に確認していきましょう。
★市場参加者が極端に少なくなり、流動性が低下する★
1つ目は、「流動性の低下」があります。
海外のヘッジファンド勢は、12月の中頃からトレードをしなくなります。
クリスマス休暇と年末年始休暇でほとんどの証券会社が休みとなるため、この時期は市場に参加するトレーダーが少なくなり、相場の値動きがかなり小さくなるのが特徴です。
値動きが期待できない相場、かつ、スプレッドを加味して、思うように利益が出せなかったりすることを考えれば、わざわざこの期間、トレードしたりしないわけですね。
「でも、それだけだと “ 危険な相場 ” とは言えないんじゃない?」
そう思ったあなた!
鋭い着眼点ですが、ここでもうひとつのポイントが影響してくるんです。そして、これから説明する内容こそが、特に危険とされている理由となります。
★取引量が少なくなるとチャートが動きやすくなる★
パッと聞くと、よくわからないかもしれません。
噛み砕いて分かりやすく説明しましょう。
まず、通常時の相場の取引量を、重さで「1000トン」あるとイメージしてください。
それに対して私たち個人投資家は、だいたい「100トン」ほど動かす力があるとします。
そこで、上の画像のような場面で上昇トレンドを起こしたいと思っても、個人投資家の「100トン」や「200トン」レベルのパワーでは到底大きく動かすことはできません。
しかし、ここにもっと力を持った海外のヘッジファンド勢や機関投資家といった、大量のお金を動かせるトレーダーたちが集まって、やっと上昇トレンドは作り出せるのです。
個人投資家たちだけであれば、ここまでのパワーは生み出せないでしょう。
このように通常の相場では、この相場の重量が「1000トン」ある前提で動いているわけです。
しかしこれが年末年始となると、市場参加者が少なくなるため、そもそも相場の取引量の重量が「1000トン」から「10トン」ぐらいの重量になってしまいます。
つまり、非常に軽くなるということです。
そのことに気づかず、普段の相場と同じ感覚でパワーを注いでしまうと、そこに存在する取引量の重量が軽すぎるので、この時期だけは大きく動いてしまうことがあるんです。
この動きが“ 突発的な大きな値動き ” の正体というわけです。
また、こういう場面を狙ってあえて仕掛けてくる大手ヘッジファンドや機関投資家も存在します。
そのため知識がないトレーダーは、こういった場面での餌食になってしまう可能性が高いんです。
年末年始の相場を乗り切るために
以上の2つが、年末年始の相場に見られる違いです。
この事実を知らないまま、何気なくトレードし続けてしまうと、思わぬところでとんでもない急落・急騰に巻き込まれて大損してしまうかもしれません。
この “ 突発的な大きな値動き ” というのは予測が難しいので、ここを狙って利益を出そうとするのは非常にリスキーです。そのため、基本的に狙うのは避けたほうが安全だといえるでしょう。
また、これは必ず年末年始の決まったタイミングに発生する、というわけではありません。
発生する可能性が「非常に高い」という点にも注意が必要です。
これは裏を返せばいつ起こるか分からない、常に気は抜けない状態だということ。
つまり無視するのも誤った選択だといえるので、必ず対策はしておきましょう。
対策としては、下記のような内容がシンプルで、なおかつ不用意な損失も防げるはずです。
- 年内にポジションは全て手仕舞ってしまう
- EAは止めておく
また、年末年始の相場については、各証券会社でも下記のような注意喚起を行っている場合が多いです。
- 各金融機関によって入出金手続きに違いが出る可能性
- スプレッドが拡大する可能性
- ポジションや資金量の管理
あなたもご利用の証券会社からのお知らせを確認してみてください。
「なんだか消極的な対策」と感じたでしょうか?
しかし、投資の格言に「休むも相場なり」という言葉もあるように、時には素直にトレードをお休みして静観するのも、トータルの利益を上げるためには必要です。
みんながトレードを休んでいる年末年始のように、リスクの高いトレードを避けることが、投資で生き残る、もっとも最善な方法ですよ。