「上位と下位の時間足に優劣なし」デイトレーダーは正しい認識を持て

いつもご覧くださり、ありがとうございます。

さて今回のテーマは、「時間足の規模についての考察」です。

卵が先か鶏が先か、ではないですが、
時間足における上位(大きな時間足)下位(小さな時間足)では
どちらが大切なのかというのは、

トレードで悩んだことがある方なら、
おそらく多くの方が考えたことがおありかと思います。

言ってしまえばどちらも大切なのですが、それではやや具体性に欠けます。

実際にリアルのトレードに取り組んでいる立場から、
経験則ではありますが、もう一歩踏み込んだところをお話したいと思います。

結論を端的に表現すると―

【継続は上位に基づき、しかし変化は下位から】となります。

そういう意味で、各々見るべき点があり、大切さのポイントが異なるのですね。

よく知られている「マルチタイムフレーム」という理論があります。

上位の時間足で流れを見、下位の時間足で細かなタイミングを計ってトレードする
というのが大筋の考え方です。

これはもちろん、とても大切な考え方です。

反面、ちょっと注意が必要なのが、
「上位>下位」という単純な位置付けで重要性を処理してしまうことです。

「下位はダマシが多くてダメですね」みたいな感じですね。

私は個人的に、「上位>下位」ではなく、

上位:継続の可能性(大きな流れ)を見るため
下位:変化を察知するため

という並列でそれぞれを処理した方が、
デイトレードという特殊な行為では役立つと思っています。

相場は基本的に、上位の大きな流れを意識しながら集団で作られていくものですが、
“新たな流れ”は下位の積み重ねで徐々に形成されて行きます。

それがすなわち変化です。

一つ例を挙げてみます。

上位(4時間足や日足)で上昇トレンド中ですので、
買いのタイミングを待っているとします。

さらに、押し目のタイミングを計るために
下位の時間足である15分足や5分足を見ています。

さて、下位で押し目の良いタイミングが来たので実際に買いで入り、
直近の高値までは首尾よく利が乗りました。

デイトレの場合、ここで利食うのも一つの手ですが、
自分はまだ伸びると思ったので、そのままホールドしたとします。

すると、その高値付近から反落して来て、
建値(エントリーレート)付近まで戻ってきてしまいました。

さて、ここでどうするかという問題です。

つい陥りがちな間違いとしては、
仮にそのまま建値を割られて含み損になったとしても、

上位だけを根拠に「きっとまだプラスになるから大丈夫」と
決め付けてしまってホールドを続けることです。

客観的、且つ公平に見るなら、
Wトップを作って反転のきっかけになる“可能性”もあるわけです。

これが、「下位から始まる、新しい流れ」です。

ですので、やはり上位に沿ってシナリオを組み立てますが、
それが思わしくない、うまくいかない場合は

下位からの変化が生じつつあるわけですから、一度仕切り直し(=決済)をして、
今一度シナリオを立て直して次の機会を窺わなければなりませんね。

言われてみれば当たり前なのですが、
このことがリアルのトレードでは物凄く大切なのです。

敢えて強調しますが、後付けの分析ではなく、
リアルで値動きに対応するトレードにおいては、このことが非常に大切です。

上位の継続、下位の変化―

デイトレードというのは、マクロとミクロの狭間で揺れがちなものであり、
大きな流れには逆らわない絶対のスタンスを維持しながらも、
変化にも柔軟に対応しなければならない
特殊さがあります。

参考にしていただけましたら幸いです。
今回もお読みくださり、ありがとうございました。