コロナの感染拡大から見る為替市場の展望
こんにちは、北田です。
本日から記事を執筆させていただくこととなりました。
普段はタイに住みながら、
FXや株式投資、不動産投資等をしながら日本でも情報発信をしています。
FXのトレード戦略としては、
基本的には市場参加者の心理が読み取れるローソク足の形状を重視しながらも、
さらに勝率や利益率を上げるために、ファンダメンタルズも取り入れながら売買しています。
今後の記事の内容としては、
海外在住でないとなかなか取り入れることができない情報や、
どのロジックを使っていても応用できるようなファンダメンタルズ情報を中心に、
発信していけたらと考えています。
FOMCと日銀金融政策から見る世界経済の傾向
それでは早速、直近のファンダメンタルズのお話をしていきます。
まず先週は、FOMCと日銀金融政策決定会合が行われました。
FOMCでは今年の経済成長見通しが大幅に上方修正されたものの、
政策金利に関してはゼロ金利政策を2023年まで維持することとされました。
市場参加者としては、ワクチンの普及や経済活動の再開、
また成長見通しも大幅に上昇修正されたことで、
2023年までには1回の利上げが行われるのではないかと思われていたところ、
はしごを外された形となり、長期金利の低下、そしてドル売り動意となりました。
また経済成長見通しが大幅に上方修正されたものの、
ゼロ金利を2023年末まで維持することに関しての矛盾点が生じました。
これについてパウエルFRB議長は、
「見通しではなく、結果を見て判断しながら政策を考えていく」とし、
これまでのように見通しではなく、
あくまでも結果の数値を見ながら今後の政策が行われていくことになりました。
今後はこのパウエル議長の考え方が、
経済にどのように影響を与えていくのかが注目されていくと考えられます。
またFRBに先だって行われたECB定例理事会ですが、
EU圏内の長期金利に関して、上昇を抑えるためにPEPPの拡大を発表しました。
しかし、FRBはそういった上昇を抑える措置に関しては否定したことで、
このことに関して見れば、両地域の金利差拡大の思惑で、
ユーロ売り、ドル買い動意へと進むことが予想されます。
そして日本でも、
先週18日、19日に日銀の金融政策決定会合が行われました。
18日に長期金利に関しては、
変動幅をプラスマイナス0.2%からプラスマイナス0.25%へ拡大することとし、
またETFの買い入れに関しては、上限12兆円は維持されたものの、
買い入れ目安の6兆円が撤廃されました。
このことを受け、18日の株式市場は前場では大幅に上昇していたものの、
後場になり、下げに転じた相場となりました。
その影響を受けて為替市場では、円買い動意となりました。
そしてさらに19日には、ETFの買い入れに関して、
日経平均型の購入を辞め、東証株価指数型に一本化することが決められました。
このことを受け、銀行株など、幅広い銘柄で買いが入ったものの、
日経平均株価の寄与度の高いファーストリテイリングやソフトバンクグループが大きく売られ、
これにより日経平均株価は一時600円を超える程の下落を見せた相場となりました。
今後は日経平均株価採用銘柄以外の東証一部上場銘柄に資金が移動し、
TOPIX自体の上昇が見込めるようになっていくとともに、
日経平均株価の寄与度の高い銘柄は総じて下落、
ないしは、上昇がなかなか見込めない状態になることが考えられます。
これまでは日経平均株価が円と連動することが多く見られたわけですが、
今後はTOPIXがより重要視されていくのか、
また為替市場にどのように影響を与えていくのか、
個人的には注目していきたいと考えています。
コロナウイルスの感染拡大による影響
そしてそろそろオリンピック、パラリンピックの
開催の有無や詳細等が決まってくる時期ですが、
現在は海外在住のボランティアの受け入れはせず、
さらに海外からの観光客も受け入れない方針であること。
また無観客での開催の可能性も浮上してきていますが、
変異種の拡大や開催の有無や詳細などによって、
株価や為替市場にも影響する可能性が高いです。
現在EU圏内で変異種が拡大しており、
フランスやイタリアの一部都市でロックダウンなどが再度行われています。
そして日本でも変異種が拡大している状態での開催となれば、
昨年のようにクラスターなどによっての工場停止や通勤自粛などによって、
企業の売り上げが落ちる思惑が広がり、
株価下落に繋がる可能性もあります。
また日本はワクチン接種がかなり出遅れており、
そんな中での開催となれば、
日本売りによる円売り動意となる可能性も考えておく必要はあります。
この辺りも注意して見ながら、
クロス円の通貨ペアは触っていきたいと考えています。
そしてユーロに関してはECBによる長期金利上昇の抑制だけではなく、
ユーロ高けん制発言なども数か月前から出ており、
また変異種の拡大によって経済回復の遅れていることから、
ユーロ売りが今後も出てくるのではないかと考えています。
そして最後にポンドに関しては、
先週イギリスでも政策金利発表が行われ、
金利も債権購入規模も据え置きとなりました。
そして、BOEが「インフレを示す証拠が見られるまでは引き締めをしない」
との発表をしたことを受けてポンド売りとなりました。
ただ、先週中頃まで、アストラゼネカのワクチン接種に関して
血栓ができるとの疑いで、数か国で停止されていたところ、
欧州の医薬品庁が安全であることを確認したことで、
ポンド買い動意となる材料もありました。
ということで、
先週までで各中央銀行の政策金利発表が出そろい、
今後はさらなる材料に焦点が移って相場が動いていきそうです。
また各通貨の状況を見てきましたが、
FXはあくまでも合成通貨です。
ファンダメンタルズ分析をする時は
「通貨ペア」としていきなり分析するのではなく、
まずは「通貨」ごとに切り分けて分析していくことで、
予測を立てやすくなります。
以上、何か参考になれば幸いです。