短期間で資金を増やす「複利」のすすめ
あなたは『複利』という資産の運用方法をご存知ですか?
かの天才物理学者アインシュタインも「複利は人類最大の発明。 知っている人は複利で稼ぎ、知らない人は利息を払う」という名言を残していますが、具体的に説明すると「投資で得た利益をさらに投資に回す」 ことで、効率よく&爆発的に資産を増やしていくための方法です。
トレードごとに「ただ稼いで出金するだけ」なのか、それとも「稼いだ利益を複利で運用する」のかで、あなたが将来得られる利益額や、資産の増え方に決定的な差が生まれてしまうでしょう。
そこで今回の記事では、あなたの資産がさらに加速度的に増えていく『複利運用』の場合、どのような推移で資産が増え続けるのかをご紹介していきます。
これから本格的にFXに取り組もうと考えている方や、あるいは他の投資を始めようと考えている方にとっても、重要な考え方・概念なので必ずご確認ください。
『複利運用』と『単利運用』
まず最初に理解しておかなければならないのは、投資には『複利運用』と『単利運用』の2種類があるという点です。「複利」「単利」なんて言葉を聞くと難しそうなイメージがありますが、実際には凄くシンプルです。
例えば、単利運用の場合。
あなたが資金100万円で投資を始めて、毎月10%の利益が出ているとします(これを月利10%といいます)。100万円に対して毎月10%なので、1ヶ月トレードして、10万円の利益が出たことになります。
つまり2ヶ月目では、あなたの口座には元々の資金100万円と、新たに増えた10万円(下図の利益1)で、110万円があることになります。『単利運用』の場合、利益になった10万円はすぐに出金します。するとあなたの資金は、元の100万円のままです。
2ヶ月後も、3ヶ月後も同様です。
新たに生まれた利益は全部出金して、元の100万円のままずっとトレードを続けます。
このように、新たに生まれた利益を運用資金に回さず、あくまでも最初の資金だけで繰り返し投資を続けることを「単利運用」と呼びます。
次に『複利運用』の場合です。
同じように資金100万円で投資を始めて、毎月10%の利益が出たとします。つまり1ヶ月のトレードで、10万円の利益です。
『複利運用』は、その10万円を出金せずに全て運用資金に回します。すると2ヶ月目のトレードでは、資金110万円の状態でトレードが始められます。
利益が出れば、それを全て資金に回していく、これが『複利運用』です。
一見違いがないように見えるこの2つですが、実は、2ヶ月後、3ヶ月後、そして、10ヶ月後と、時間が経つごとに利益の差が歴然となってきます。
それを具体的に理解するため、続いては単利と複利でどのように違いが出てくるのか、実際に見ていきましょう。
『複利運用』は雪だるま式に利益が増える
条件は先ほどと同じ「資金100万円で毎月10%で利益が生まれる」とします。この条件で、「単利運用」と「複利運用」のどちらが先に+100万円の利益を生み出すのか、見ていきましょう。
まず単利運用の場合毎月10万円の利益が出るとすると、単純計算で10カ月後に+100万円の利益になります。
それでは『複利運用』の場合はどうでしょうか?
1ヶ月目で10万円の利益が出るので、その10万円を運用資金に回します。元々の資金は100万円なので、+10万円で2ヶ月目は110万円の資金で始められることになります。毎月10%の条件なので、2ヶ月目も資金に対して10%の利益が発生するので、110万円の10%、つまり、2ヶ月目は「+11万円」の利益が生まれます。
すでに単利運用との違いが出てきました。
3ヶ月目では、その11万円も資金に回っていることになるので、資金の合計は121万円となっています。その10%が利益として入ってくると、3ヶ月目では「+12.1万円」稼げることになります。このように、ゆきだるま式に、利益が増えていくと……。
8ヶ月目では114万円の利益を稼ぎ出していることになります。
単利では100万円まで到達するのに「10ヶ月」かかるのに対して、複利では「8ヶ月」で100万円という目標に到達しています。ちなみに、複利では、10ヶ月目で159.3万円の利益にまで膨らみました。
この差は、今後さらに加速度的に拡大していき、20カ月後にはなんと資金の差が6倍にも広がっていきます。
このように、同じ資金、同じ利回りでスタートしても、運用方法が違うだけで、10ヶ月で約60万円、20ヶ月で約370万円もの差が生まれるのです。
グラフで見ると、さらにその差の広がり方が一目瞭然。最初はほんの少しの差でも、『複利運用』は続ける期間が長ければ長いほど、その効果が高まっていきます。
つまり、複利運用を始めるのは早ければ早いほど、資産を膨らませるためには良いということになります。ぜひこの記事を読んで、『複利運用』の効果を理解してもらえた方は、本日から実践していくといいでしょう。
まとめ
今回は、『複利』がいかに効率的な資産運用方法かを理解してもらえたと思います。あなたが目指す金額があるのなら、その目標に最短距離で到達するカギは、この複利運用が握っているかもしれません。
ただし、『複利運用』にも1つだけ注意点があります。それは資産が加速度に増える反面、損失も加速度に増加してしまうという点です。
『複利運用』では、稼いだ利益を全て資金に回すことになるので、ずっと口座の中に入れておく必要があります。つまり、リスク管理をせずにトレードしてしまった場合は、思わぬ大損失にあった時、口座内の全ての資金を失ってしまう可能性があるのです。
ただし、これはリスク管理をせずにトレードした場合の話。トレード毎に損切りなどの対策を普段から行っていれば、資産を全て失うといったことはまずありえないのでご安心ください。むしろリスク管理さえ徹底をしていれば、これ以上に効率的に資産を増やしていく方法は他にありません。
ぜひ、FXに本格的に取り組む際には、この複利を使った資産運用の計画を立ててみてください!