「岸田に投資を」真の意味と、円安の行方

こんにちは、北田です。

3年ぶりの行動制限の無いGWでしたが、
いかがお過ごしでしたでしょうか。

ただGW中でも各国の
株式市場や為替市場は動いており、

様々な情報により、
相場が動いていました。

まずは注目されていたFOMCですが、
政策金利は予想通り0.5%の利上げとなりました。

またその後のパウエル議長の会見で、
今後の継続的な利上げ支持等に関しての発言も
予想通りの結果となっていましたが、

「0.75%の利上げは積極的に検討しているものではない」

との発言には市場が反応しました。

元々0.75%の利上げも
浮上してきた中での今回の発言、

積極的な利上げのトーンダウンという形になり、
ドルが大幅に売られることとなりました。

そして米国株も、
これまでの過度な金融引き締めの
警戒感が和らいだことで、

NYダウは一時950ドル高の展開となりました。

しかしながら、パウエル議長の発言を
冷静に考えたからなのか、

そもそも2、3会合連続で0.5%の利上げを
実施すること自体が異例なことであり、

急激な金融引き締めが警戒され、
翌日の再度NYダウは
1000ドルを超える下落幅となりました。

岸田に投資を

またGW中、岸田総理が
東南アジアや欧州を外遊し、

ウクライナ情勢や
防衛関連に関しての協議を行いました。

またその中で、
私が住むバンコクにも来られ、
プラユット首相と会談も行い、

防衛装備品の移転や
技術協力に関しての協定締結へと動きました。

またタイはTPPにも参加意欲を示しており、
個人的にはこちらも実現してほしいと考えています。

そして気になったのが、
ロンドンで行った講演で岸田総理が、

「安心して日本に投資してほしい。
 Invest in Kishida(岸田に投資を)」

と述べられたことです。

最初は、安倍政権時代の、

「バイ・マイ・アベノミクス
 (アベノミクスは買いだ)」

の発言を真似ただけだと思っていましたが、
前週末の金曜日のマーケットの反応は、

米国市場ではNYダウで
1000ドルを超える程の下落、

また上海、香港も大幅の下落、
欧州株も下落している中、

日経平均株価だけが
プラスで終えるという相場になり、

まさに日本株だけが
買われたような相場となっていました。

日本株は現在、
海外投資家が売り越しに転じており、

海外の株と比べても、
PERが低い状態が続いています。

その要因は、やはり情報技術の差、
そしてその次が医療技術になっています。

日本はどうしてもGAFAMのような
革新的な企業が生まれにくく、
これが一番大きな差となっています。

そして医療に関しても、
やはりワクチン開発で日本は遅れを取り、

ヘルスケアセクターでも
日本株の魅力に欠ける
要因となってしまっています。

さらに中国への
依存が大きいのも日本です。

現在中国はゼロコロナ政策で
各地でロックダウンが行われ、

経済が低迷しており、
その影響が日本企業にも
大きく影響を与えています。

しかしながら、

かつてのバブル時代に
活躍していた野村証券の

いわゆるキャラバン隊がここ最近、
日本株を積極的に海外勢に
売り込んでいる事実もあります。

業績の好調な企業も当然たくさんあり、
例えばTOYOTAや日立、
日清食品等の銘柄が積極的に紹介されているようです。

また海外の運用会社からも
ここ最近、日本株の問い合わせは増えてきており、
海外から注目され始めてきているのも事実でしょう。

そして円安ということもあり、
やはり日本株の見直し買いも入る
可能性も十分にあります。

さらに、この円安を使って、
岸田政権としては、

今後インバウンドを積極的に
推し進めていくのではないかと考えています。

円安や物価の高騰によって
ダメージを受けた企業や個人には

給付金や補助金等で助けていく、
そしてその財源は、
インバウンドでまかなっていく、

どうやらここ最近の日銀や
財務省関係の発言を読み解いていくと、

このようなことを
考えているのではないかと思えてきます。

そう考えていくと、
「Invest in Kishida」ももしかしたら

今後のキシダノミクスとして
化けていく可能性も
否定できないんじゃないでしょうか。

ということでGW中でも
様々な動きがありましたが、

その上で各通貨を
見ていきたいと思います。

米ドルについて

まずはドルからですが、

前述のように、
FOMCによって一旦のタカ派の
トーンダウンとはなりましたが、

継続利上げ自体に変更は無いことから、
ドル売りは限定的と考えていいでしょう。

また先週発表された雇用統計でも、
失業率は低下予想に反して3.6%と変わらずでしたが、

非農業部門雇用者数では、
伸びが減少予想に反して

前月比+42.8万人と変わらず、
12カ月連続で40万人超えとなったことから、

改めて労働市場の強さが
再確認された内容となりました。

そしてその上で
11日に消費者物価指数が公表されます。

特にFRBがインフレ指標として注目している
燃料や食料品を除いたコアCPIが注目されています。

前回のコアCPIで
ピークの傾向が見られ、

今回これが確認されるか
どうかが焦点となります。

仮に伸びが鈍化すれば、
一旦のドルの利益確定売り、

さらなる伸びが確認されれば、
さらなるドル買いへと動くでしょう。

またその翌日12日の
PPIも同様に注目です。

さらに5月22−24日に
バイデン大統領が来日されるということで、

ここでの日米首脳会談の
内容にも注目しておきたいですね。

ユーロについて

次にユーロに関してですが、

ユーロ圏経済が
スタグフレーション入りするとの懸念が広がり、
一時ユーロ売りとなっていましたが、

先日発表された4月消費者物価指数速報値が
前年比で+7.5%と過去最高を更新したことで、

利上げ観測が一段と高まり、
ユーロ買いに転じました。

またビルロワドガローフランス中銀総裁が、

「ユーロが弱すぎると物価目標の妨げになる」
「年内に金利をプラスに引き上げることが合理的である」

と発言、ドイツ連銀のナーゲル総裁も
早期の金融引き締めを主張したことで、

さらなるユーロ買いの後押しとなりました。

後述しますが、

オーストラリアでも
利上げが行われたことで、

主要国でまだ利上げをしていない国が、
日本とEUのみとなりました。

このことで、今後はECBの利上げ時期が
ますます注目されていくでしょう。

そして今週のユーロ圏3月鉱工業生産等の
指標発表を手掛かりに、

EU圏内の各経済指標の数値で、
良好な数字が続くことで、

さらなる利上げ観測、
そしてユーロ買いへと向かっていくでしょう。

ただし、

ドルも利上げ観測継続ということで、
ユーロドルの買いを狙うよりも、

相対的に売られている円に注目し、
ユーロ円の買いを狙ったほうが、
効率の良いトレードができると考えています。

ポンドについて

次にポンドですが、

先日の小売売上高が予想以上に悪化し、
リセッション懸念でポンド売りとなり、

一時は利上げ観測が低下していたところ、
先週のMPCでは追加利上げを決定し、

4会合連続の利上げとなり、
一旦はポンド買いへと反応しました。

しかし、ベイリー総裁のリセッション警告、
また国債の売却計画は無いとの発言で、

ポンド買いは縮小した相場となりました。

そして今週は
イギリスのGDP発表ですが、

先月アメリカGDPでは
予想外のマイナス成長となっており、

今回のイギリスのGDPも
注目されています。

やはり現在は
燃料費の高騰や物価高等による
コストプッシュ型のインフレ、

また景気後退に直面しており、
各中央銀行は難しい判断を
迫られていることが分かります。

またイギリスでは、
先日地方統一選挙が行われ、

与党保守党で大幅に議席数を
減らす結果となりました。

これはジョンソン首相のコロナ禍での
パーティ問題が原因だと思われますが、

選挙結果を受けて、
ジョンソン首相の退陣論が
活発化してくる可能性もあり、

政局不安から今後ポンド売りとなる
可能性もある為、注意が必要です。

オージーについて

次に豪ドルですが、

前述の通り、RBAは政策金利を
0.25ポイント引き上げて0.35%と決定しました。

また今後の計画でも、

さらなる利上げの必要性や
バランスシートの縮小の加速等も発表され、
豪ドル買いとなりました。

政策金利に向けて
豪ドルが買われてきており、

公表後に相場は
一旦、落ち着いていますが、

次回の政策金利発表の6月7日に向けて、
再度上昇していく可能性もあります。

後述しますが、

再度原油価格が上昇してきており、
またロシアに対しての追加制裁等による
石炭の需要の高まり等を受け、

豪ドル買いの後押しとなる可能性もあり、
引き続き、豪ドルは買い目線で見ていくと良いでしょう。

ただ21日にオーストラリアで
総選挙が控えていますので、

内容によっては
大きく動く可能性もありますので、

選挙前後のポジションメイクには
注意が必要です。

日本円について

そして円ですが、

先日の日銀金融政策決定会合で、
マイナス金利の維持は予想通りでしたが、

10年物国債金利について、
明らかに応札が見込まれない場合を除き、

0.25%で指値オペを原則
毎営業日実施すると明言されたことで、
さらなる円売りに拍車をかけました。

また消費者物価コア指数の
見通しも前年度比+1.9%に上方修正され、

改めてインフレが
加速していることが明らかとなりました。

ただ黒田総裁の記者会見では、

このインフレの要因は、
携帯電話通信料下落の影響のはく落が主因であり、

また今後原油価格の高騰がおさまることで、

このインフレも今年後半から
来年にかけては落ち着いてくることが示され、
改めて金融緩和継続を主張されました。

一時為替介入の噂もありましたが、
インフレで苦難しているアメリカにとって、

ドル安政策をすることは難しく、
日本にとってはむしろ円安を使って、

インバウンド需要により
日本経済を戻していく可能性もあり、

今後も円安は継続していく
可能性が高まってきました。

そして今後は20日の
消費者物価指数に注目ですが、

その前哨戦となる、
6日に公表された4月東京消費者物価指数は前年比+1.9%と、
市場予想を上回る結果となりました。

20日の消費者物価指数も
高い数値が出てくることは容易に予想でき、

これが今後円をどのように
突き動かしていくのかに注目ですね。

まとめ

最後に原油価格についても触れていきますが、
最近はまた足元で上昇してきています。

EUのロシアに対しての制裁強化で、
石油禁輸を決定したことや、

OPECプラスが増産に
応じなかったこと等を背景に
上昇したと考えられます。

また先日ロシアが
ポーランドとブルガリアに対して

天然ガスの供給停止を通告し、
原油価格のさらなる高騰、

そしてEU圏内の経済悪化が
ますます深刻化していきます。

原油価格が高騰することで、株価下落、

逆に原油価格が
落ち着いてくると株価上昇という図式が

最近ではまた復活してきたような
相場にもなっていますので、

この原油価格の動向にも
注意を払っておく必要はあるでしょう。

ということで、

GW中での出来事、
そして各通貨の状況を解説しましたが、

これらの動きを見て、
今世界では資金がどこからどこへと移動しているのか、

それを見つけるようにすると、
自然とどのような投資をすればいいか
分かってくるようになります。

以上、何か参考になれば幸いです。

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