「テーパリング」から紐解く豪ドル円相場の最前線

2021年8月19日

こんにちは、藤田昌宏です。

最近は、梅雨明けの発表もあり、湿気の多い日から一転して暑い日が続いていますね。
室内でトレードをするにしても、しっかりと水分補給をして熱中症の対策をしていきましょう。

さて、2021年7月は為替市場に“ある変化”が起こっており、多くのプロトレーダーが注目しています。
ある変化とは、通貨市場全体の騰落率(とうらくりつ)のこと。

参考:トレンドを知る指標「騰落率」から見た通貨の動向

上記の記事でも騰落率について触れていますが、簡単におさらいすると、騰落率とは「ある期間の始めと終わりで価格がどれだけ変化したかを表す数値」のことで、別の言い方をすれば“通貨の強弱”とも言えますね。

7月1日から中旬時点での各通貨の強弱を見ていくと、円とスイス、米ドルが最も強く、ユーロや豪ドルが最も弱くなっています。

左から強い順に並べると、『円>スイス>米ドル>ユーロ>豪ドル』といった順番ですね。

さらに、これを数値にして見ていくと、下記のようになります。

  • スイスフラン-0.73%
  • 米ドル-1.45%
  • ユーロ-1.92%
  • 豪ドル-3.54%

これが月初来(げっしょらい)のデータで、Month-To-Dateとも呼びますね。
※月初来とは、月の初めから今日までの期間のこと。

豪ドル円は下記の通り、大幅に下落しています。

続いて機関投資家の思考を探っていくと、彼らはファンダメンタルズにも注意を払っており、とくに注目しているキーワードがテーパリング(金融緩和の反対語)です。

最近では、テーパリングがもっぱらの話題になっていて、これまでは金融緩和の影響で豪ドル円などを買いポジションに傾けていましたが、現在は劣勢となっています。

その発端となったファンダメンタルズ要因と値動きを両方見ていくと、6月17日に発表されたFOMC政策金利以降、この流れが明確になっているのが分かります。

それでは、これらの情報をもとに、実際どういったトレードをしたのかを紹介していきましょう。

上図、通貨ペアは豪ドル円であり、見やすいように15分足に設定しています。

また表示している赤い矢印は、詳細は省かせていただきますが、ある一定の法則とデータに基づいて発生する仕組みとなっています。

この局面では、売りエントリーをして手堅く45pipsの利益を獲得しています。

今後の戦略としては、データと経験則などの総合判断から、円高、スイス高、ドル高の変化に注目しつつ、ユーロ安、豪ドル安にも目を向けようと思っています。

また、プロ視点で注目している通貨ペアは、ユーロ円、ユーロドル、豪ドル円、豪ドルといったところでしょう。

ただ「上げ100日下げ3日」という格言があるように、円高、ドル高の局面は速いスピードで調整するケースがあるので注意する必要があります。

次回も、プロが注目しているポイントからヘッジファンドの手口、そして実際のトレードを共有させていただきます。