為替市場の方向性を決める「3つのビッグニュース」とは
こんにちは、藤田昌宏です。
2021年も残すところ、わずか1か月となりましたね。
とはいえ、トレーダーにとっては重要な1ヶ月となりそうです。
なぜならここ数週間で、今後の為替市場の方向性を揺るがすほどの“大きな3つのニュース”があったから。
というわけで今回は、いつものように騰落率から導く「注目すべき通貨ペア」に加えて、3大ニュースが与える相場への影響についても言及していきたいと思います。
2021年11月と10月の騰落率
まずは、恒例の2021年11月の為替市場の、月初来の騰落率(とうらくりつ)を見ていきましょう。
※騰落率とは、ある期間の価格がどれだけ変化したかを表すもの。
2021年11月1日から末日までの各通貨の強弱を見ていくと、豪ドルが弱く、日本円が最も強くなっています。
左から強い順に並べると、
『 日本円 > 米ドル > スイス > ユーロ > ポンド > 豪ドル 』
といった順番ですね。
また、これを対ドルの数値にして見ていくと、
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11月については、
1位 日本円 +0.40
2位 米ドル +0.00
3位 スイス -0.70
4位 ユーロ -2.46
5位 ポンド -3.30
6位 豪ドル -5.61
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上記のデータになります。
ちなみに、世界中の投資家は米ドルを中心に見ているため、対ドルで記載しています。
この騰落率のデータから分かる通り、豪ドルが最も弱いという状況です。
※参考までに、前月10月は下記になります。
前月との比較の際にご参考ください。
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1位 豪ドル +3.92
2位 スイス +1.62
3位 ポンド +1.60
4位 米ドル 0.00
5位 ユーロ -0.28
6位 日本円 -2.44
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10月と11月の騰落率から導く“注目の通貨”とは
10月と11月の騰落率データを見ると「10月は豪ドルの独歩高」「11月は豪ドルの独歩安」ということが言えます。
※独歩とは、ある特定の通貨だけが下落または上昇すること
このことから豪ドルは、トレンドが無い状態からブレイクアウトし、下落トレンドに切り替わったと考えても良いでしょう。
11月の最も強い通貨と、最も弱い通貨に着目すると、
◆豪ドル / 円 下落 (豪ドル安)
◆豪ドル / 米ドル 下落 (豪ドル安)
となっていますので、どちらもトレンド発生中であると判断できます。
上記どちらの通貨ペアに注目するかは意見が分かれますが、前々月の10月の相場にも注目するなら、円よりも米ドルに注目したほうが良いでしょう。
つまり、豪ドル / 米ドルのほうにトレードの妙味があります。
通貨ペアの判断に迷ったときは参考にしてください。
また、豪ドルは基本的に「上昇時はゆっくり、下落時は急激に下がる」という性質があります。
トレードでは、こうした通貨の性質も心がけるようにしましょう。
▼2021年12月6日の「豪ドル / 米ドル」のチャート
騰落率を活用したシンプルなトレード戦略
続いて、直近で実践したトレードについて解説していきます。
下図は豪ドル / 米ドルのチャートです。
▼2021年12月6日「豪ドル / 米ドル」のチャート
※表示している通貨ペアは豪ドル / 米ドルで、見やすいように15分足に設定しています。
この通貨ペア選定の根拠の一つとして、騰落率を用いています。
騰落率の法則性を理解すれば、データからシンプルに通貨ペアを選定できるでしょう。
エントリーには、一定の法則性に基づいてサインが自動で発生する仕組みとなっています。
上図のエントリーサインが発生した赤色の枠で新規売りエントリー、そして水色の枠で決済し、合計60pipsの利益獲得となっています。
さらに今回のトレードでは、堅実に15pipsの利益獲得を狙った短期トレードも取り入れました。
このトレードロジックは、エントリーチャンスの豊富さと、利食い幅の設定が多少遅れても、十分に間に合うようになっています。
今後の戦略としては「米ドル高によるトレンド」に注目して、エントリーチャンスを狙っていくことに妙味があるでしょう。
今後の相場を動かす“3つの注目すべきニュース”とは
さて、ここからは冒頭でお伝えした、今後の相場を大きく揺るがす「3つの大きなニュース」に解説していきますね。
まずひとつ、直近の注目経済指標でいうと、
◆12月7日(火) 豪州政策金利発表
◆12月16日(木) アメリカ政策金利(以下、FOMC表記)
があります。
この豪州の政策金利では、下落トレンドに切り替わった豪ドルの一つの指標でもあるので、仕掛けがあるかチェックしていきましょう。
また、先週にパウエルFRB議長がテーパリング(金融緩和の縮小)を示唆しており、その後の相場が大きく変動しています。
この発言時に値動きが拡大したことから、FOMCでの市場の注目度がうかがえますので、通常のFOMCよりも相場が大きく変動することを視野にいれておきましょう。
▼注目のニュース時の「豪ドル / 米ドル」のチャート
これらを踏まえて、プロの思考から市場が意識している3つのニュースを、シンプルにまとめてみました。
・パウエルFRB議長のテーパリング発言
・アメリカの原油備蓄放出報道
・コロナ変異株、オミクロンの世界的影響
先ほど取り上げた注目経済指標に加えて、アメリカでいえば原油備蓄の放出報道で世界的に相場がどう動くのか。
またオミクロンの影響度合いも当然、目が離せないニュースとして注目しています。
これらのニュースとテクニカル的な視点を合わせて、今後のトレードに活かしていきましょう。
次回も、プロが注目しているポイントからヘッジファンドがこっそり使う手口、そして実際のトレードを共有させていただきます。
ぜひ、楽しみにお待ちくださいね。
最後にあなたへのメッセージ
これからFXで利益を上げていきたいと考えているのであれば、ぜひ今回の記事に限らず、継続してFXの学習を行ってもらいたいと思います。
投資は日々学び、情報収集し、経験を積んでいくことが大事だからです。
このような考え方は、私個人の独りよがりなものではなく、多くのトレーダーが押さえておくべき現実だと思います。
現にクロスリテイリングさんでも「継続学習」の必要性について強くお伝えしており、経験値を上げることが成功者の第一歩なのです。
私自身、そのようなクロスリテイリングさんの考え方に共感したために、こちらで投資家の本質についてお伝えさせてもらっています。
ぜひ今回の記事をきっかけにして、単なるスキルや知識の習得だけでなく、重要な現場目線についても感じ取ってもらえたら幸いです。