元機関投資家が明かす、ジャクソンホール会議後のトレンドの続き
こんにちは、藤田昌宏です。
ビッグイベント「ジャクソンホール会議」も消化し、9月から市場の新しい動きに注目が集まっています。
このイベントについては、前回も解説しましたね。
今回はさらに、その後の『ある特徴』について後述させていただきます。
その前にまずは、2021年9月の為替市場の月初来の騰落率(とうらくりつ)を見ていきましょう。
2021年の9月1日から現時点での各通貨の強弱を見ていくと、豪ドルとポンドが最も強くスイスが最も弱くなっています。
左から強い順に並べると、
『豪ドル>ポンド>ユーロ>日本円>ドル>スイス』
といった順番ですね。
そして、これを対ドルの数値にして深く見ていくと、
1位 豪ドル +0.71
2位 ポンド +0.69
3位 ユーロ +0.09
4位 日本円 +0.08
5位 ドル 0.00
6位 スイス -0.28
上記のデータになります。
対ドルで記載している理由は、世界中の投資家はドルを中心に見ているためです。
そして、今回の騰落率のデータから分かることは、ドルと円、そしてユーロの3つの通貨が拮抗していることですね。
さらに、需要と供給の面で見ると、買いと売りがぶつかっている状態と言えます。
また、テクニカル的にみると、エネルギーが蓄積されていて、次なる方向性を探っている状態ですね。
ここで通貨ペアに直すと、ユーロ/円(収束中)やドル/円(収束中)といった状況から考えますと、トレンドに向けての前兆ともいえるでしょう。
プロが注目するジャクソンホール会議後の戦略
さて前回は、ジャクソンホール会議後のトレード戦略を共有したのですが、その戦略にはまだ続きがありました。
実は、ジャクソンホール会議後に形成された短期トレンドというのは全戻しする傾向があるのです。そこを密かに注目している投資家もいて、その動きに乗るという流れが見られるというものです。
上図は、上から順に「ユーロドル、ポンドドル、豪ドル米ドル」のチャートです。
各通貨2020年のジャクソンホール会議後は、実際のチャートではどういった値動きをしたのか。
その点、振り返ると短期トレンド形成後はその上昇分がすべて、戻しているのが分かります。
これを実際のトレードに法則性として活かすと、短期トレンド形成後、流れが切り替わるタイミングで逆張り、といったかたちでトレード戦略を練るのが最適解になるでしょう。
ということで、これら情報から実際にどういったトレードをしたのか見ていきましょう。
ジャクソンホール会議後の実践トレード結果
表示している通貨ペアは豪ドル/ドルになります。
見やすいように15分足に設定しています。
通貨ペア選定の根拠の一つとして、ジャクソンホール会議後の法則性を基に、下落に転じるタイミングで逆張りを狙っていきます。
また豪州政策金利発表後、値動きが落ち着いたタイミングを見計らいつつ、エントリーサインが発生した赤色の枠でエントリー。そして水色の枠で決済を行い、合計2回のトレードで40pipsの利益獲得しました。
下図が、そのチャートです。
次に相場を揺るがす「クアドルプルウィッチング」とその戦略とは?
そんな一連の動きを見せた2021年のジャクソンホール会議も終わり、今後の戦略としては、9月第3週のアメリカ株式のオプション清算日に向けた動向がポイントとなるでしょう。
通称『クアドルプルウィッチング』。
直訳すると4人の魔女といった意味で、名前の付け方にユーモアが感じられますね。
※トリプルウィッチング(3人の魔女)と呼ばれる場合もあり。
シンプルに説明すると、3か月に1度に実施される機関投資家のポジション調整があるため、その時の相場はより一層、積極的な取引が行われている、という週なのです。
そのため、上下に通貨の価格が動き出す、波乱の展開が予想されます。
そこでプロの目線での見解としては、ユーロ/円やドル/円のブレイクアウトすることが期待できることでしょう。
次回も、プロが注目しているポイントからヘッジファンドの手口、そして実際のトレードを共有させていただきます。
最後にあなたへのメッセージ
これからFXで利益を上げていきたいと考えているのであれば、ぜひ今回の記事に限らず、継続してFXの学習を行ってもらいたいと思います。
投資は日々学び、情報収集し、経験を積んでいくことが大事だからです。
このような考え方は、私個人の独りよがりなものではなく、多くのトレーダーが押さえておくべき現実だと思います。
現にクロスリテイリングさんでも「継続学習」の必要性について強くお伝えしており、経験値を上げることが成功者の第一歩なのです。
私自身、そのようなクロスリテイリングさんの考え方に共感したために、こちらで投資家の本質についてお伝えさせてもらっています。
ぜひ今回の記事をきっかけにして、単なるスキルや知識の習得だけでなく、重要な現場目線についても感じ取ってもらえたら幸いです。